本書では、感情、情動的知能について、「感情神経科学」から解説されています。
感情などに興味がある方が読まれると、興味深く読むことができると思います。
『「感情」は最強の武器である: 「情動的知能」という生存戦略』レナード・ムロディナウ
目次
はじめに
第1部 情動とは何か
第1章 思考と感情――情動とは何か、感情の理論はどのように発展してきたか
第2章 情動の目的――情動の進化上の目的と、昆虫から人間まで動物における情動の違い
第3章 心と体のつながり――身体状態は思考や感情にどのような影響を及ぼすのか
第2部 情動の驚くべき力
第4章 情動が思考を導く――情動が情報処理に及ぼす影響
第5章 感情はどこからやって来るのか――脳はどのように情動を形作るのか
第6章 動機――欲求と嗜好の関係――欲望の起源と脳内の快楽、および両者と動機の関係
第7章 情動と決意――情動は鉄の意志をもたらす
第3部 情動の傾向と情動を抑える術
第8章 あなたの情動プロファイル――自分がどのような情動を持ちがちで、状況にどのように反応しがちなのかを知る
第9章 情動を操る――情動をどのようにコントロールするか
エピローグ――別れ
『「感情」は最強の武器である』ここに注目・言葉・名言
「研究によると、喜びに満ちている人ほど創造的で、新たな情報を受け入れ、柔軟で効果的な思考をおこなうという。喜びには、自分の限界を押し広げ、何が来ても受け入れるよう促す効果があるという。また、枠を飛び越えて考え、探索して創造し、遊びたいという欲求も生み出す。大人の場合、遊びには知的活動や芸術的活動も含まれるが、子供の遊びはおもに身体的・社会的なものであって、身体的・社会的スキルの発達に役立つ。たとえばアフリカに棲むジリスの子供は、ジグザグに走り回っては、ときどき真上に飛び上がって空中で身体をひねり、着地して新たな方向に走っていくという遊びをする。それらの曲技は成体になってからも使うもので、ヘビをはじめとした緊急事態から逃れるのに役立つ。
自尊心についても考えてみよう。これは、他人と話をして自分の手柄を伝え、さらに大きな手柄を目指したいという欲求を生み出すことで、未来の可能性を広げてくれる。また好奇心は、基礎知識や経験を広げるために探索して探求したいという欲求を生み出す。そうして高まった能力は、将来の課題、古代の場合には水や食料、逃げ道や隠れる場所を見つけるという課題に対処するのに役立つ。現代の世界でいうと、昨日のスキルが今日の課題に十分に役立たないような、たえず変化しつづけてどんどんリスクが膨らんでいく環境を克服するための機転をもたらしてくれる。」
(p.118)
喜びがあると創造的に
喜びを感じている人ほど創造的だそうです。
さらに柔軟で効果的な思考を行うそうです。
創造的で効果的な思考を行いたいなら、喜びを感じることは大切と言えそうですね。
また、好奇心も、探究心につながるので、今の時代には役立つとのこと。
新しいことに興味を持てるなどあるでしょうから、好奇心や、何かに興味を持って知りたいと思うことは、役立ちそうですね。
悲しみの2つの機能
「悲しみには2つの重要な機能があるらしい。第1に、悲しい表情をしている人はやむにやまれぬメッセージを発信している。目を伏してまぶたが垂れ、口角と眉毛が下がると、見た人に強い影響を与える。他人に悲しみを伝えるこの方法は、手助けを必要としていることを伝えるもので、我々は社会性動物であるがゆえ、多くの場合その手助けを得られる。みんな知っているとおり、誰かが泣いていると、たとえ相手が大人であっても心が痛んで助けたくなるものだ。
悲しみのもう一つの機能は、考え方を変えさせて適応を促すことである。悲しみという精神状態は、信じていたことを考えなおして目標の優先順位を付けなおすという、困難な精神作業のきっかけを与える。情報処理の対象範囲を広げ、喪失や失敗の原因と結果、成功を阻む障害の理解を助ける。さらに戦略を評価しなおして、好ましくないが変えようのない新たな条件を受け入れるよう準備を整える。悲しい状態のときの情報処理は、なぜ悪いことになったのか、どうしたら変えられるのかを思いつくのに役立つ。そのような思考によって、現実味のない期待や目標を捨て去り、より良い結果につなげることができる。」(p.122)
どうしたら変えられるかを考えるきっかけに
悲しみには、2つの機能があるということです。
他者にメッセージを発して、助けてもらえること。
どうしたら変えられるかを考えるきっかけにできる。
ということで、悲しみには、こんな効用というか、機能もあるということです。
だとすると、悲しんだあとに、何か楽しいことをやって喜びを感じて、対策などを考えると、創造的で効果的な方法を考えられるかもしれませんね。
取り入れたいと思ったこと
決意を高めるのに、運動が良いということです。
また、マインドフルネス瞑想によっても高められるとのこと。
(p.193)
運動と瞑想。
取り入れたいというか、やりたいですね。
あわせて読みたい
『人の心をつかむ15のルール』レス・ギブリン
『人の心をつかむ15のルール』そのコツは? - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ
人の心を理解する。
人間関係や仕事などでも有用でしょう。
こちらの『人の心をつかむ15のルール』は、人の心を理解したい方が読まれると、参考になると思います。
『「感情」は最強の武器である: 「情動的知能」という生存戦略』
おすすめ度
★★★★☆
感情や情動について書かれています。
その効能なども書かれています。感情などをどのように活用するのか、
自分で考えたい方が読まれると、参考になることが見つかると思います。
おすすめしたい方
感情について考えたい方。
ビジネスパーソン。
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
喜びを感じている人ほど創造的
喜びを感じていますか?