満足できない脳ということで、なぜ、もっとを求めてしまうのかという話が書かれています。
これを筆者は、欠乏ループと呼んでいて、これを抜け出す考え方なども説明されています。
- 『満足できない脳: 私たちが「もっと」を求める本当の理由』マイケル・イースター
- 『満足できない脳』のここに注目・言葉・名言
- 「欲しいのは正しさなのか、幸福なのか?」
- 取り入れたいと思ったこと
- あわせて読みたい
- 『満足できない脳: 私たちが「もっと」を求める本当の理由』
- 今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
『満足できない脳: 私たちが「もっと」を求める本当の理由』マイケル・イースター
目次
はじめに――われらの欠乏脳
第1章 欠乏ループ
第2章 予測不可能な報酬とドーパミンの放出
第3章 いたるところに組み込まれた欠乏ループ
第4章 脳は「多い」のが大好き
第5章 薬物依存と環境
『満足できない脳』のここに注目・言葉・名言
「「欠乏ループ」の3つの段階
レッドは、人間の心のなかにある強烈な癖を本能的に利用した。ギャンブルや過食、過剰な買い物や過剰な視聴、暴飲など、私たちが矢継ぎ早に繰り返してしまう行動は、「矢乏ループ」によって引き起こされている。
このループは3つの部分でできている。
機会→予測不可能な報酬→迅速な再現性
このループは、欠乏のマインドセットの究極のトリガーだ。レッドが掘り起こしたのは、ほぼ強制的なリピート消費だ。どんな行動でも、それを速やかに繰り返す機会と欲求が多ければそれだけ、私たちに及ぶ影響は大きくなる。
欠乏のマインドセットがどのように機能し、何がそれを起動させるかについてのレッドの直感は、スロットマシンの収益を10倍以上に増加させ、逆にテーブルゲームを余興の地位に格下げした。
現在、レッドの業績をサールのような新世代の行動工学者らがさらに洗練させている。彼らは、一世紀ぶんに相当する心理学の研究とカジノのデータをもとに、ゲームの魅力がもっと強烈になるように欠ループを最適化している。すべては、胴元側の鋭い刃をさらに研ぐためだ」(p.31)
欠乏ループ
欠乏ループは、機会→予測不可能な報酬→迅速な再現性があると、引き起こされやすいということです。
迅速な再現性、手軽にできてしまうと、繰り返してやってしまうというのがあるのでしょうね。
そして、脳は、繰り返しやっていることを大切と思いがちです。
そこに予測不可能な報酬があれば、動機になって、のめり込んでしまう。
こういうことがあるのだと思います。
「欲しいのは正しさなのか、幸福なのか?」
「「欲しいのは正しさなのか、幸福なのか?」
「欲しいのは正しさなのか、幸福なのか?」と自間するとき、私たちは長期的な見方をし、均衡に新たな視点を盛り込む。この質問は形を変えることもできる。
それは「欲しいのは、良く見えることなのか?幸福なのか?」という問いになるかもしれない。「欲しいのは、この人物より上になることか?幸福になることか?」という問いにも、「欲しいのは正しくあることか?あるいは良い友人、良い同僚、良いパートナーであることか?」という問いにもできる。いくらでも展開できるから、試してみてほしい。
後者の「欲しいのは幸福だ」という選択肢をとると、ごく短期的に不快を経験する可能性はある(私たちは己の闘大脳を相手に戦うことになるからだ)。だが、後者の選択肢は時間とともに、私たちの日常の苦悩のもとであるたわごとを溶かす作用を持っている。そのたわごとは溶けると肥料となり、成長をもたらす。
「欲しいのは正義か幸福か?」という問いは、別の重要な事実を理解するための視点と明快さを与えてくれる可能性もある。その事実とは、私たちがおそらく大半の議論において正しくはないということだ。そして議論の相手もまた、だいたいにおいて正しくはない。時間がたてば私たちの世界観は変わる。」
(p.189-190)
長期的な視点
欠乏ループは、短期的な繰り返しになります。
それが中毒などになってしまうと問題になるので、長期的な視点が必要なのだと思います。
そこから考えると、長期的な幸福を求めると、変わっていくというのはありますよね。
長期的な視点で見てみると、物事が変わってくるというのがあるので、欠乏ループから抜け出すには、視点を変えてみると変わりそうですね。
取り入れたいと思ったこと
「装備には、もっと高い目的を達成するのに役立つという明確な目的がある。
このアプローチは、欠乏ループから抜け出す3つの方法すべてに効く。それは機会と、予測不可能な報酬と、無頓着な買い物の迅速な再現性を奪うのだ。アイテムが与えてくれる機会は、もっと有意義なものにシフトする。予測不可能な報酬は、装備によって達成と経験ができるものとなる。そして買う前に立ち止まって、「モノではなく装備」と考えることで、買う量を減らすことができる。」(p.285)
買う量を減らすために、モノではなく装備を買う考えると良いということです。
買う目的を考えるということですよね。
目的に合っていないなら買わないとすると、買う量を減らせそうです。
あわせて読みたい
『自分で選んでいるつもり: 行動科学に学ぶ驚異の心理バイアス』
リチャード・ショットン
こちらは、行動科学をマーケティングに応用する専門家のリチャード・ショットン氏が、心理バイアスなどから、マーケティングに応用する方法について書かれています。
人間心理などから、マーケティングなどに応用したい方が読まれると、参考になることが見つかるはずです。
『満足できない脳: 私たちが「もっと」を求める本当の理由』
おすすめ度
★★★★☆
満足できない理由などがいろいろと書かれています。
欠乏ループから抜け出す考え方なども説明されています。
満足できずに欠乏ループにハマっていないか、考えたい方などが読まれると、参考になると思います。
おすすめしたい方
もっとを減らしたい人。
ビジネスパーソン。
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
欠乏ループ 機会→予測不可能な報酬→迅速な再現性
欠乏ループにハマっていませんか?