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『数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する-』江崎貴裕


ルールをどのように設計するのか。

法律などが代表例だと思いますが、会社のルールなどもどうやってデザインすると良いのか。

意外とわからないことかもしれません。

本書では、そんな「ルール」のデザイン・設計について書かれています。

『数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する-』江崎貴裕

『数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する-』江崎貴裕

『数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する-』江崎 貴裕

目次

第1章 ルールデザインの失敗学 -自明な失敗メカニズム
ルールデザインの失敗について考える
エビデンスの無いルール設定・介入:実は無意味なルール
機能的な欠陥:従うのが難しいルール
ルールの不遵守・不定着:守ってもらえないルール

第2章 個人とルールデザイン -人間は「粒子」ではない
インセンティブ設計の失敗:報酬が逆効果になるとき
罰則設計の失敗:罰則が無視されるとき
指標化による失敗:数字に踊らされるヒト
望ましい行動を補助する:上手な行動の促し方

第3章 集団とルールデザイン -グループから生じるメカニズム
集団と対立/協力:ルール遵守を阻む事情
群集心理的な行動:周りのことが気になるヒト
情報とグループダイナミクス:「想定外」の結末を防ぐために

第4章 社会とルールデザイン -モデル化の外の現象
環境が邪魔するルール:ルールの前提が変わる
イノベーションとルールデザイン:世の中の変化に対応できない理由
ルールの陳腐化と変え方:変わるニーズと変わらないルールの目的

第5章 人を活かすルールデザイン -制約条件としてのルール
制限のし過ぎ:ルール遵守のコストを考える
組織における制約のコントロール:マネジメントとルール
クリエイティビティと制約:『緑の卵とハム』

第6章 人工知能とルールデザイン -AIと人の混合システム
データ活用とルールデザイン:意思決定を代替するAI
AIを埋め込んだルールデザイン:AIをルールデザインに役立てるには
社会のルールとAIのルール:AIにどうやってルールを守らせるのか

第7章 成功のためのルールデザイン -フィードバックのプロセス
デザインにおけるフィードバック:ルールをうまく改善するには
なぜ、ルールに「フィードバック」ができないのか:ルールの改善を阻害する要因
数理モデルとデータの解釈:どうやってルールを評価・設計すれば良いのか
適応的ルールデザイン:事前に決めておくべきこと

『数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN』のここに注目・言葉・名言

「では、なぜルールが遵守されないのでしょうか? それは、人々がそのルールに対して「面倒だし、そこまで重要なルールじゃないから厳密に守らなくても良い」という認識を持っているからです。あるいは「自分はちゃんとできているから大丈夫」といった思い込みもあるかもしれません。このような事故防止のルールは、事故を防止すること、つまり組織全体で事故の発生をゼロにすることが目的なので、全員が守ることに意味があります。ルールを守らなくても事故を起こさない人もいるでしょうが、そうでない人が組織に一定割合いる場合、「その人たちに確実に守らせる」ことができなければ意味がありません。ルールを各個人の裁量で守ったり守らなかったりすると、組織全体での順守率が大きく下がってしまい、折角のルールが機能しなくなってしまいます。」(p.046)

なぜルールが遵守されないのか?

ルールがあっても、守られないのであれば機能しません。

それでは、ルールがないのと変わらないですよね。

なぜルールが守られないのかというと、厳密に守らなくても良い、自分はできているといったことがあるということです。

こういったことがあるとしたら、どうしたらルールを守ってもらえるのでしょうか。

ルールを守ってもらうには?(p.047〜)

(1)ルールが明文化されていること
(2)ルールの存在や内容について全員が理解していること
(3)ルールの意義について全員が理解、納得していること

確実に守ってもらうには

ルールを守ってもらうにはこういったことが必要ということです。

まずは、明確になっていて、対象者が内容を理解、納得していることが大切ということですね。

意外と、ここまでできるかというと難しいかもしれません。

とくに日本では、暗黙の了解みたいなもので、お互いの理解がずれているということはありそうです。

いずれにしても、ルールは作って終わりではなくて、対象者が内容を理解、納得していることが大切ということですね。

取り入れたいと思ったこと

「「導入したルールがうまく機能して目的が達成されているかを、いつ・どのように評価するかを事前に決めておき、評価の結果に応じてルールの改善、または撤回を行えるようにしておく」というフィードバックの仕組みを、最初からルールに埋め込んでおくことが有効です。」(p.313)

ルールがうまく機能しているか評価して、結果に応じて、ルールの改善や撤回を行えるようにする。

こういうフィードバックの仕組みを、最初からルールに盛り込んでおくことも必要ということです。

うまく機能しないルールは、どうにかする必要がありますよね。

これをあらかじめフィードバックして、改善できるようにしておくと良いということで、取り入れたいと思います。

あわせて読みたい

『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX』
 リード・ヘイスティングス (著), エリン・メイヤー

『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX』リード・ヘイスティングス, エリン・メイヤー - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

 

www.biztikara.com

こちらは、NETFLIXが、自由と責任の文化をどうやって作ってきたのか、といったことが書かれています。

能力を発揮する人たちをどうやって集めて、能力を発揮してもらうようにするかということに興味がある方が読まれると、参考になると思います。

『数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN -組織と人の行動を科学する-』

おすすめ度

★★★★☆

ルールの設計、デザインについて書かれています。
どのように機能するルールなどを作るのか、といったことに興味がある方が読まれると、参考になることが見つかると思います。

おすすめしたい方

人事担当者。
経営者。
ビジネスパーソン。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

ルールを守ってもらうには?

(1)ルールが明文化されていること
(2)ルールの存在や内容について全員が理解していること
(3)ルールの意義について全員が理解、納得していること

ルールをどのようにデザインしますか?