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『NOISE 上・下 組織はなぜ判断を誤るのか?』


人間はなぜ判断を誤るのか?

本書の邦題のサブタイトルは、「組織はなぜ判断を誤るのか?」となっていますが、原書のサブタイトルは、"A Flaw in Human Judgment"で、「人間の判断の欠陥」といった意味です。

そして、本書では、その理由としての、「ノイズ」について書かれています。

『NOISE 上・下 組織はなぜ判断を誤るのか?』

ダニエル・カーネマン、オリヴィエ・シボニー、キャス・R・サンスティーン

『NOISE 上・下 組織はなぜ判断を誤るのか?』の目次

二種類のエラー/第1部 ノイズを探せ(犯罪と刑罰/システムノイズ ほか)/第2部 ノイズを測るものさしは?(判断を要する問題/エラーの計測 ほか)/第3部 予測的判断のノイズ(人間の判断とモデル/ルールとノイズ ほか)/第4部 ノイズはなぜ起きるのか(ヒューリスティクス、バイアス、ノイズ/レベル合わせ ほか

第4部 ノイズはなぜ起きるのか(承前)(パターン/ノイズの原因)/第5部 よりよい判断のために(よい判断はよい人材から/バイアスの排除と判断ハイジーン ほか)/第6部 ノイズの最適水準(ノイズ削減のコスト/尊厳 ほか)/まとめと結論 ノイズを真剣に受け止める/ノイズの少ない世界へ

 

『NOISE』のここに注目・言葉・名言

「予測的判断にノイズがみられるときには、必ず何かがまちがっている。 医師二人の診断が食い 違うとき、アナリスト二人の次の四半期の売り上げ予想が一致しないとき、すくなくともどちらか一方はまちがっている。二人のうちどちらかが経験不足か能力不足でエラーを犯しやすいのかもしれないし、何かほかにノイズの原因があるのかもしれない。理由はどうあれ、正しい判断が下されないとなれば、その診断や予測に依存する人に重大な影響を与えることになる。」(上・p.78)

ノイズの何が問題か?

本書で言う「ノイズ」とは、バラツキといったようなことです。

そして、判断にバラツキがあるとしたら、何かしら問題がある可能性がある。

判断が間違っていたら、問題が起こる。

ノイズ自体が問題かどうかは置いておくとしても、判断が間違っていたら、まずいことが起こると言うのは、多くの人が思うことでしょう。

では、どうしたら、判断を改善できるのか?

「ノイズの計測に必要なのは同じ問題に対する多数の判断だけで、判断対象の実際の結果や正解を知る必要はない。冒頭で取り上げた射撃場の例にあったように、標的の裏側に回って標的自体が見えない状態でも、着弾がばらついていることはすぐわかる。そして、射撃手がばらばらな方向を狙ったのではなく一つの標的を狙っていたのだとわかれば、ノイズの計測が可能になる。ノイズ検査はまさにこれをするわけだ。 次の四半期の売上高を予想してほしいとアナリストに依頼して、予想にばらつきがあれば、それがノイズである。
判断の質を向上させるためには、バイアスとノイズのちがいは重要な意味を持つ。 判断が正しいかどうかを検証できないのに判断を改善できると言ったら、矛盾するように聞こえるかもしれない。だがノイズを計測することから始めれば、必ず改善できる。」
(上・p.79)

ノイズが計測できれば、判断は改善できる

では、どうしたら、判断を改善できるのか?

「ノイズ」を計測することで、改善しやすくなるということです。

バラツキがあるということは、何か問題があるということで、それを測ることができれば、そして、結果がバラツキがないとすると、判断が正しい可能性が高くなるということです。

バラツキ、ノイズがない判断は、正しい可能性が高い。

予測精度を向上するには?

「調査の結果を受けて、ノイズとバイアスを減らす方法も提案されている。ここでは全部を検討する余裕はないので、応用範囲の広い方法を二つ取り上げることにしたい。一つは、すぐれた予測担当者を選ぶことである(第16章参照)。もう一つは多数の独立した判断を統合することで、こちらは判断ハイジーンの中で最も応用範囲が広い手順である。」(下・p.95)

では、どうしたら予測的判断を向上できるのか?

ここからが本書の面白いところだと思います。

どうしたら予測的判断を向上できるのか?

すぐれた予測担当者を選ぶ、多数の独立した判断を統合する

この2つを、この章では、紹介しています。(他にも紹介されているというか、読むとわかるようになっています。)

ということで、そういうことを知りたい方は、本書を読んでみてください。

取り入れたいと思ったこと

判断力を向上したいというのは、多くの人が思うことではない
でしょうか。

例えば、買い物をするにしても、AとBという商品どちらを買うと良いのか。
仕事をするにしても、AとB、どちらの作業を行うほうが、結果が出やすいのか。

選択や判断で、行動が変わって、結果が変わる。

本書を読むと、判断を改善させる方法がわかってきます。(わかりやすくはないかもしれませんが)

それらの方法を取り入れたいと思いました。

あわせて読みたい

『ファスト&スロー (上)(下): あなたの意思はどのように決まるか?』
 ダニエル・カーネマン(著)
 http://www.bizpnet.com/book/2013/02/fastslow1.html
 http://www.bizpnet.com/book/2013/02/fastslow2.html

こちらは、人は、どのように意思決定するのか?
直感は、どこまで正しいのか?
といったことが書かれています。

意思決定に興味がある方が読んでおきたい一冊です。

 

『NOISE 上・下 組織はなぜ判断を誤るのか?』

おすすめ度

★★★★☆(★4.3)

人の判断の欠陥、そしてどうしたら判断を改善できるのか、といったことが書かれています。
判断力を向上したい方が読まれると、参考になると思います。
私は読んで良かったです。

おすすめしたい方

ビジネスパーソン。
経営者。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

ノイズが計測できれば、判断は改善できる

どうしたら予測的判断を向上できるのか?