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『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』今井むつみ


「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?ということで、説明しても伝わらないのがなぜ起こるかといったことが書かれています。

説明しても伝わらない理由を知りたい方が読まれると、その理由などがわかると思います。

『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』今井むつみ

『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』今井むつみ

『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』今井むつみ

目次

はじめに 認知科学者が教えるコミュニケーションの本質と解決策

第1章 「話せばわかる」はもしかしたら「幻想」かもしれない

「人と人は、話せばわかり合える」ものなのか?
「話せばわかる」とはどういうことか?
「話せばわかる」の試練――記憶力の問題
人の記憶はどこまで「曖昧」なものなのか
「相手にわかってもらえる」を実現する方法を考えよう

第2章「話してもわからない」「言っても伝わらない」とき、
いったい何が起きているのか?

「言えば伝わる」「話せばわかる」を裏側から考える
言っても伝わらないを生み出すもの①「理解」についての2つの勘違い
言っても伝わらないを生み出すもの②「まんべんなく公平に見渡す」ことはできない、視点の偏り
言っても伝わらないを生み出すもの③「専門性」が視野を歪ませる
言っても伝わらないを生み出すもの④人間は「記憶マシーン」にはなれない
言っても伝わらないを生み出すもの⑤言葉が、感情が、記憶をどんどん書き換えていく
言っても伝わらないを生み出すもの⑥「認知バイアス」で思考が止まる
様々な思い込みと認知バイアス

第3章「言えば→伝わる」「言われれば→理解できる」を実現するには?

ビジネスの現場に、日常生活に認知科学をどう落とし込むか
「相手の立場」で考える
ビジネスで「相手の立場に立つ」ための「心の理論」
ビジネスで「相手の立場に立つ」ための「メタ認知」
「相手の立場」に立てる人のコミュニケーション
「感情」に気を配る
感情を味方につけるコミュニケーションのコツ
「勘違い」「伝達ミス」を防ぐ
「伝わる説明」を、具体と抽象から考える
「意図」を読む

第4章 「伝わらない」「わかり合えない」を越える
コミュニケーションのとり方

「いいコミュニケーション」とは何か?
「コミュニケーションの達人」の特徴① 達人は失敗を成長の糧(かて)にしている
「コミュニケーションの達人」の特徴② 説明の手間を惜しまない
「コミュニケーションの達人」の特徴③ コントロールしようと思わない
「コミュニケーションの達人」の特徴④ 「聞く耳」をいつも持つ

終章 コミュニケーションを通してビジネスの熟達者になるために

ビジネスの熟達者とコミュニケーション
ビジネスの熟達者になるための「直観」

『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』のここに注目・言葉・名言

「「相手の立場」で考える
「話せばわかる」「言えば伝わる」というのは、これまでもお話ししてきた通り、「自分が発言して終わり」ではありません。相手が「わかる」ところ、内容が「伝わる」ところまでを考えている以上、「話された人」「言われた人」のことも考えなければなりません。
子どもの頃、誰もが一度は、次のように言われたことがあると思います。
「相手の気持ちになって考えなさい」
特にコミュニケーションにおいては、「相手のことを考える」は当然のことで、それはやればできること、という前提で言われます。
また、ときに「非認知能力」としてまとめられてしまうこともあり、道徳の授業などでは常套句のように使われるものでもあります。
しかし、「相手の立場に立つ」「相手の気持ちになって考える」というのは、単に思いやりを持てということではありません。
ビジネスにおいては、相手の置かれている状況を分析し、それに応じた提案をする、ということで、それは認知心理学が重視している「心の理論」、そして「メタ認知」と深く関係しています。」(p.171-172)

「相手の立場」で考える

相手の立場で考えるというのはよく言われますね。

ビジネスにおいては、相手の置かれている状況を分析し、それに応じた提案をする、ということだそうです。

相手から見た状況を考えてみる。

それがまずは始まりかと思います。

そこから、何を伝えるかを考えてみる。

仕事などでは、「相手の立場」で考えるとはこういったことになるのでしょう。

抽象と具体

「この項目の最後に、具体と抽象にまつわる問題点と、抽象による利点を生かしながら、正しく物事を伝えるコツを考えておきましょう。
そのカギは、「例」にあります。私たちが何かを説明する際には、どうしても言葉という抽象化された記号を用いなければなりません。
そうした言葉を用いて具体を表現し、狙い通りのイメージを相手の頭の中に描かせるのが、伝わる説明です。
ですから、何かを説明する際には、いくつかの具体例、もしくはたくさんの具体例を用いると、話の範囲を明確にすることができます。」
(p.232)

「抽象化は、人の理解と記憶を手助けするものであり、本書がテーマのひとつとしている「言葉」は、物事の抽象化の中でも最も身近な例に他なりません。
伝えたいことがあるときには、その説明が「具体と抽象」の両方の要素を備えているかをつねに確認してみてください。「相手がどう理解するか」に配慮しながら、聞いている人が納得できるように抽象と具体を行き来して話を進めることが必要です。」(p.233)

抽象と具体を行き来

抽象化された言葉が、伝わらないことにつながるということで、具体例を交えて話すことで伝わりやすくなるということです。

このため抽象と具体を行き来して話を進めると伝わりやすいということです。

確かにそういう面はありますが、例が悪いというか、具体例によって話が噛み合わなくなるということもあります。

例が悪いというか、お互いがその通りだと思える例を出さないと、伝わらないというか理解に繋がらないということもあります。

例えば、ウサギとカメやアリとキリギリスなどの寓話や例え話も人によって捉え方が違うなどして、伝わっているかもしれませんが、分かり合えないということなりかねません。

取り入れたいと思ったこと

「説明の手間を惜しまない
ここまでご紹介してきた中には、認知の枠組み「スキーマ」の違いが深く関わるものが多くありました。
自分と相手がスキーマという違うフィルターを持って物事を捉えているとわかって、それでもコミュニケーションを取ろうとするなら、その先のアプローチの仕方は大きく2つに分かれると思います。
1つは、フィルターを同じにすること。そしてもう1つは、フィルターが違っても伝わるように伝えることです。
前者の、「フィルターを同じにする」ができれば、コミュニケーション上のあらゆる問題は解消しそうですが、残念ながら、スキーマというものの性質上、それは不可能だということはもう、皆さんもおわかりでしょう。
ですから、私たちが取り得るアプローチは、後者。フィルターが違っていても伝わるように伝えること。そして、その前提となるフィルターの違いを受け入れることです。」(p.263-264)

手間を惜しまないというのは大切かもと思います。

ただ、「話し過ぎない」というのも、大切かもしれません。

説明しすぎると、うるさがられるというのもあります。

ただ、基本は、説明して、その上で、過度に説明しないということになるかと思います。

あわせて読みたい

『「よい説明」には型がある。』犬塚壮志

www.biztikara.com

こちらは、よい説明の型が11個紹介されています。

それぞれ適切な状況で使うと、よい説明をしやすいように思いました。

11の型を知って、よい説明をしたい方が読むと、参考になると思います。

『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』

おすすめ度

★★★★☆

説明しても伝わらない理由について書かれています。
その理由を知りたい方が読まれると、理由などがわかると思います。
ただ、その解決策は簡単ではないと思いました。

おすすめしたい方 ▼

ビジネスパーソン。
説明しても伝わらない理由を知りたい方。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!

 「相手の立場」で考える

相手の置かれている状況を分析し、それに応じた提案をしていますか?