価格や値付けは、意外とわかりにくいところがあると思います。
本書は、そんな値付けやプライステックについて書かれています。
『新しい「価格」の教科書 値づけの基本からプライステックの最前線まで』松村 大貴
『新しい「価格」の教科書』の目次
第1章 価格の基本
第2章 価格の歴史
第3章 価格3.0を象徴するプライステック
第4章 ビジネスを大きく変えるこれからのプライシング
第5章 価格の未来
『新しい「価格」の教科書』のここに注目・言葉・名言
「プライシングと聞くと、「商品を1980円にするか、2980円にするか」といった販売価格の設定がまずイメージされるだろう。しかし、これはプライシングの要素の一つにすぎない。
プライシングの全体像は次のとおりだ。
戦略→価格方式→価格フレーム→価格」(p.016)
戦略→価格方式→価格フレーム→価格
値段設定、値付けについては、このようなステップで、設定していくということです。
おそらく、多くの企業は、だいたいこのようなことは、考えていると思います。
ただ、明確にしっかりと決めているかというとどうでしょうか。
そういう意味で、改めてこのようなステップで考えるのは良いと思いました。
最適価格
「最適価格」は一つではない、 プライシングはプロセスである
新しいプライシングに取り組むにあたり、誤解のないよう、初めにきちんと理解しておきたい考え方がある。それは、「最適価格」は一つではないということだ。
データを使ったプライシングや価格最適化というワードを聞くと、まるでただ一つの正解が導き出されるイメージを持たれてしまうかもしれないが、それは現実のビジネスにおいては誤った期待だ。
短期的な売り上げを最大化する価格、長期の収益を最大化する価格、まずは試用を促す価格など、戦略によって「最適」は変わる。また、目的や戦略が定められたとしてもいきなり最適解にたどり着けることや、それが最適であるという証明を試みることはさらに難しい。その理由の一つは、第3章で見た、 過去にさまざまな価格で販売した十分なデータがないというものだ。」(p.154)
最適価格は一つではない
最適価格、価格設定というと、1つの価格を決めてそれで終わり。
と考えたいところはあると思います。
しかし、TPOに合わせて、価格も変動しても良いわけです。
人によっても、価格が変わるかもしれません。
Amazonなどを見ていると、日々、価格が変動していたりします。
そういった変動価格は、プライシングというか、販売の最適化に必要なことになっているのだろうと思います。
取り入れたいと思ったこと
「プライシングをコミュニケーションとして捉える」(p.160)ということが書かれていました。
お客様、見込み客などとのコミュニケーションの一つの方法として価格を考えるということだと思います。
例えば、得意客には安くするなどもあるでしょうし、感謝プライスなどもあるでしょう。
そういったお客様とのコミュニケーションの手段としての価格。
そういう考え方を取り入れたいと思いました。
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『新しい「価格」の教科書 値づけの基本からプライステックの最前線まで』松村 大貴
おすすめ度
★★★★☆
値付けの基本からプライステックについて書かれています。
値付け方法のステップなどわかりやすいです。
価格設定について考えたい方が読まれると良いと思います。
おすすめしたい方
マーケティング担当者。
経営者。
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
戦略→価格方式→価格フレーム→価格
値付けをどうやって行っていますか?