愛される企業は、業績が「ビジョナリー・カンパニー」より高いそうです。
「愛される企業=世界屈指の高収益企業」72社に共通することなどについて書かれています。
- 『愛される企業 社員も顧客も投資家も幸せにして、成長し続ける組織の条件』
- 『愛される企業』のここに注目・言葉・名言
- 企業文化が一番重要
- 取り入れたいと思ったこと
- あわせて読みたい
- 『愛される企業 社員も顧客も投資家も幸せにして、成長し続ける組織の条件』
『愛される企業 社員も顧客も投資家も幸せにして、成長し続ける組織の条件』
ラジェンドラ・シソーディア,ジャグディッシュ・シース,デイビット・B・ウォルフ
目次
第1章 思いやりと愛情をベースとしたビジネスの構築
第2章 新時代、新ルール、新資本主義
第3章 無秩序への対処
第4章 従業員―資源から源泉へ
第5章 顧客―癒やすか、売らんかなで行くか
第6章 投資家―愛される企業が蒔いたものを刈り取る
第7章 パートナー―見事な調和
第8章 社会―究極のステークホルダー
第9章 企業文化―決め手となるもの
第10章 愛される企業のまとめ
第11章 複雑さの向こう側
付録 「愛される企業」の概要
『愛される企業』のここに注目・言葉・名言
「「愛される企業」とは?
「愛着」「愛情」「喜び」「誠意」「エンパシー(共感)」「同情」「思いやり」など、愛情を表すことばはいろいろある。少し前までは、こうしたことばはビジネスの世界で受け入れられていなかった。それが変わりつつあり、いまは、こうしたことばを難なく受け入れている企業が増えている。
だからこそわたしたちも「愛される企業」と造語したのだ。愛される企業は、簡単にいえば、すべてのステークホルダー集団の関心事を戦略的に調整することで、ステークホルダーに「愛されている」企業のこと。ほかのステークホルダー集団を犠牲にして利益を得るような集団はひとつもなく、どの集団もみんな同じように豊かになっていく。愛される企業は、ステークホルダーを喜ばせ、愛着を感じてもらい、ロイヤルティにつながるやり方で、すべてのステークホルダーの機能的ニーズにも、精神的ニーズにも応えている。」(p.50-51)
「愛される企業」とは?
「愛される企業」は、ステークホルダーを喜ばせ、愛着を感じてもらい、ロイヤルティにつながるやり方で、すべてのステークホルダーの機能的ニーズにも、精神的ニーズにも応えているということです。
機能や精神的ニーズに応える。
ここがポイントのようです。
しかも、すべてのステークホルダーにということで、ここは、なかなか難しいところかもしれません。
企業文化が一番重要
「企業文化が一番重要
本書のはじめのほうで、こんな問いかけをした。「どのステークホルダーが一番重要か」。これまで一般的だった考え方では、投資家が一番重要であり、投資家の利益が最優先だった。わたしたちは、社会こそが「究極の」ステークホルダーである、と前章で主張した。企業によっては、従業員(ザ・コンテナストア)、あるいは顧客(ホールフーズ)が一番重要かもしれない。
しかし、「だれ」が一番重要かの議論を超えるためには、まず、愛される企業にとって「何」が一番重要かをじっくり考える必要がある。この「何」が企業文化にあたり、愛される企業をほかの企業から際立たせ、「すべての」ステークホルダー集団のための大きな価値創造を可能にしているものだからだ。インダストリアルデザインで世界的に有名なIDEOの経営陣は、利益追求より企業文化の維持を重視している。
サウスウエスト航空は、企業文化が業績にとって必要不可であると考え、常設の「文化委員会」を立ち上げた。さまざまな階級の従業員によって推薦された96名で構成されているこの委員会は、「サウスウエストをこれほどすばらしい企業、そして家族にしている独自の精神・文化の創造・向上・振興に必要なことはなんでもする」のが任務だ。」(p.300)
企業文化
企業文化とは、何が大切かといった価値観や行動原理といったところでしょうか。
これが一番重要ということです。
何を一番重要と考えるのか。
それが企業文化の根幹になるのかもしれません。
もしくは、なぜ仕事やビジネスを行うかの理由が、企業文化の元にあって、それが行動になっていく。
いずれにしても、愛される企業では、企業文化を大切にしているということです。
自社では、何を重要と考えているのかということを、創造、向上、振興しているということです。
取り入れたいと思ったこと
「愛される企業のリーダーは、地域そして社会全体に貢献するよう、従業員を促し、励まし、報い、評価し、称費している。ただ単にそれが正しいことだからだ。企業が社会的責任を果たす一番の方法は、慈善事業への寄付ではなく、そこで働いている全員が、収益だけではない意義ある仕事に熱心に取り組むことだ。
愛される企業は、経営陣、管理職、現場の社員が協力し合い、ステークホルダーのどの集団にも同じように貢献することで揺るぎない絆を築いている。こうしたことが協力や支援の意識を育み、従業員は互いを出世のライバルと見なすのではなく、それぞれが成果をあげられるよう助け合うようになる。」(p.132-133)
社会全体に貢献できる仕事をするように、愛される企業のリーダーは従業員を促しているということです。
自らも率先して、そのような仕事をするのでしょうし、従業員が、熱心に社会に貢献できる仕事ができるように、環境なども整えるなどするのだと思います。
あわせて読みたい
『人間主義的経営』ブルネロ・クチネリ
こちらでは、ブルネロ・クチネリの経営についての考え方がわかります。
人間主義的な経営、資本主義ということを考えたい方が読まれると参考になると思います。
『愛される企業 社員も顧客も投資家も幸せにして、成長し続ける組織の条件』
おすすめ度
★★★★☆
「愛される企業」の共通点について書かれています。
「愛される企業」はどのような企業なのかといったことを知りたい方が読まれると、参考になることが見つかると思います。
おすすめしたい方
経営者。
愛される企業について知りたい方。
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
「愛される企業」は、すべてのステークホルダーの機能的、精神的ニーズに応える
機能的、精神的ニーズに応えていますか?