社会で生きていくのであれば、他者との関わりは避けられないですよね。
本書では、そんな他人について、マルコム・グラッドウェル氏が書かれています。
「他人」をどう捉えると良いのか、ということに興味がある方が読まれると参考になる一冊です。
『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ 「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと 』マルコム・グラッドウェル
『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』の目次
第1部 スパイと外交官―ふたつの謎(フィデル・カストロの復讐
アドルフ・ヒトラー総統と知り合いになる)
第2部 デフォルトで信用する(キューバの女王
佯狂者
事例研究 シャワー室の少年)
第3部 透明性(『フレンズ』型の誤謬
アマンダ・ノックス事件についての単純で短い説明
事例研究 社交クラブのパーティー)
第4部 教訓(テロリストの心の内は覗けるか)
第5部 結びつき(カップリング)(シルビア・プラス
事例研究 カンザス・シティーの実験
サンドラ・ブランドに何が起こったか)
ここに注目・言葉・名言
「私たちはみな、薄っぺらな手がかりにもとづいて他者の心を見抜くことができると考え、機会があるたびに他者について判断を下そうとする。当然ながら、自分自身にたいしてそのような態度を取ろうとはしない。自分たちは複雑で謎だらけ。しかし、他者は単純。
この本で私があなたに何かひとつだけ伝えることができるとしたら、これにしたいーーあなたの知らない他者はけっして単純ではない。」(p.61)
他者を理解する
自分のこともわからないのに、他者のことがわかると考えてしまうのが、人間の性質なのかもしれません。
あなたは○○タイプといった診断がありますが、ああいうもので理解できるのであれば、人間関係苦労しないですよね。
それでもそういったものに頼りたくなってしまうのが人間が単純さを求めるからなのか。
いずれにしても、タイプわけでわかるほど、他者も単純ではありません。
嘘を見抜けない
「進化の過程のなかで人間は、眼のまえで起きる欺き行為を嘘だと見破る巧妙かつ正確なスキルを磨き上げなかった、とレイバンは主張する。なぜなら、まわりの言動を事細かに精査するためにわざわざ時間を費やすことに利点などないからだ。」(p.121)
嘘を見抜けない人間
嘘を嘘だと見抜くのは、難しい。
という話が、本書では結構出ててきます。
その理由は、嘘を見抜くことにメリットがあまりなかったからなのかもしれません。
そう考えると、危ういのは、自分は嘘を見抜けると思っていることかもしれませんね。
思ったこと
人は、他人の行動や態度で相手の感情がわかると考えがちという話も出てきます。
しかし、それも、たいてい外れていると。
自分自身が自分のことがわからないのに、他人のことを理解できると考えること自体がおこがましいというか無理なことなのかもしれません。
理解できないけれども、そこからどうするか。
そう考えて、行動していくことが違いになっていくのだろうと思います。
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人間関係を改善したいという方は、こちらも読んでみてください。
『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ 』マルコム・グラッドウェル
他人のことは、そう簡単にはわからない。
ということがわかる一冊です。
他人に興味がある方が読んでみると、参考になります。
読んでみてください。
おすすめ度
★★★★☆(★4.3)
他者について、マルコム・グラッドウェル氏が書かれています。
示唆のある一冊です。
他者理解に興味がある方が読まれると、興味深く読むことができると思います。読んでみてください。
おすすめしたい方
他者について興味がある方。
ビジネスパーソン。
『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ 「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと 』マルコム・グラッドウェル
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
トーキング・トゥ・ストレンジャーズ~「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと~
あなたの知らない他者はけっして単純ではない
他者を理解するのはむずかしい