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『ネットワーク・エフェクト 事業とプロダクトに欠かせない強力で重要なフレームワーク』アンドリュー・チェン


ネットワーク・エフェクトとは何かということから、どうやってネットワーク・エフェクトを実現していくのかといったことなどについて書かれています。

シリコンバレーのトップベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)のゼネラルパートナー、アンドリュー・チェンが、ネットワーク・エフェクトについて説明されています。

『ネットワーク・エフェクト 事業とプロダクトに欠かせない強力で重要なフレームワーク』アンドリュー・チェン

『ネットワーク・エフェクト 事業とプロダクトに欠かせない強力で重要なフレームワーク』アンドリュー・チェン

『ネットワーク・エフェクト 事業とプロダクトに欠かせない強力で重要なフレームワーク』アンドリュー・チェン

目次

序章
第1章 ネットワーク効果
01 ネットワーク効果とは
02 歴史を振り返る
03 コールドスタート理論

第2章 コールドスタート問題
04 タイニースペックの事例
05 アンチネットワーク効果――破滅に向かわせるマイナスの力
06 アトミックネットワーク――クレジットカードで起きたこと
07 ハードサイド――ウィキペディアの事例
08 ハードな問題を解決する――ティンダーの事例
09 キラープロダクト――ズームの事例
10 マジックモーメント――クラブハウスの事例

第3章 転換点
11 ティンダーの事例
12 招待制――リンクトインの事例
13 ツールで誘って、ネットワークで引き留める――インスタグラムの事例
14 成長を金で買う――クーポンを使う
15 フリントストーン戦略――人力で始めたレディットの事例
16 がむしゃらに突き進む――ウーバーの事例

第4章 脱出速度
17 ドロップボックスの事例
18 3種の効果
19 エンゲージメント効果――壊血病の事例
20 ユーザー獲得効果――ペイパルの事例
21 経済効果――信用調査機関の事例

第5章 天井
22 ツイッチの事例
23 ロケット成長――T2D3(3倍、3倍、2倍、2倍、2倍)
24 市場の飽和――イーベイの事例
25 クリック率低下の法則――バナー広告で起きたこと
26 ネットワークが反乱を起こすとき――ウーバーの事例
27 永遠の9月――ユーズネットの事例
28 過密化――ユーチューブの事例

第6章 参入障壁
29 ウィムドゥ対エアビーアンドビー
30 好循環と悪循環
31 チェリーピッキング――クレイグスリストの事例v 32 ビッグバン型の立ち上げは失敗しやすい――グーグルプラスの事例
33 ハードサイドのユーザー獲得競争――ウーバーの事例
34 バンドル戦略――マイクロソフトの事例

最後に ネットワーク効果の未来

『ネットワーク・エフェクト』のここに注目・言葉・名言

「「コールドスタート理論」のフレームワーク

本書で紹介するフレームワークは、ネットワーク効果を5つのステージに分けている。各章でステージごとの課題、目標、ベストプラクティスを説明する。ネットワークが成長して進化する際に起きることだけでなく、次のステージに進むための具体的な施策も載せるつもりだ。

このフレームワークは、ネットワーク効果を生む上で最も重要な最初のステージにちなんで「コールドスタート理論」と名づけた。ネットワークの価値の変化を図で表すと、初期は時間の経過とともに高まり、中盤は横ばいになって、最後は減少に転じるS字カーブを描く」
(p.054)

コールドスタート理論

1 コールドスタート問題 初期段階で破壊的な作用をもたらすステージ
2 転換点: 拡大ペースが速まり、拡大しやすくなるステージ 
3 脱出速度: 製品の成長が軌道に乗るステージ
4 天井: 成長が停滞するステージ
5 参入障壁: ネットワークを駆使して競合他社から自社を守れるよう
 になるステージ

こういった5つのステージがあるということです。

そして、始まりのステージは、コールドスタート問題というステージで使ってもらうためのステージです。

ここでは、ユーザーに使ってもらうためにどうするかという話があるわけですが、まずは、ここを解決しないことには、ネットワーク・エフェクトも始まらないということです。

コールドスタート問題を解決する

「コールドスタート問題を解決するには、ネットワークを立ち上げたら十分な密度と規模を素早く確保し、ユーザー体験をどんどん改善するしかない。スラックなら、ユーザーが連絡したい同僚がまだスラックを使っていない場合はどうするか、相手がメッセージに返信する確率を高めるにはどうすればいいかを考えるだろう。ネットワークが小さくまばらな場合、相手にメッセージを送れなかったり、相手があまり使っていないためすぐに返信が来なかったりする。」(p.079)

「コールドスタート問題の解消は、製品を正しく利用してくれる人に使ってもらう方法を見つけることから始まる。最初のネットワークを軌道に乗せる鍵は、「アトミックネットワーク」にある。安定した最小のネットワークを構築するのだ。」(p.079)

コールドスタート問題を解決するには?

まずは、製品を正しく利用してくれる人に使ってもらう方法を見つけることから始まるということです。

最小のネットワークを見つけて構築することからということです。

スラックであれば、会社の中でチームなどに使ってもらうということから始めるということです。

製品・サービスに合った人たちに、まずは使ってもらうこと。

これが、コールドスタート問題を解決する、初めの一歩ということです。

取り入れたいと思ったこと

「最初はネットワークに合うユーザーを集めよう

招待制は強力である。 成功すると、最初のアトミックネットワークのユーザーが他のユーザーを惹き つける磁石となるのだ。そしてネットワークがコピー&ペーストするように広がっていく。 物理的な新製品の開発者はサービス設計に膨大な時間を費やすが、ネットワーク製品の開発者にはそれに加え、新規ユーザーがよい体験をできるよう、
適切な初期ユーザーを集めるという重要な任務もある。優秀なアプリの担当者は、開発中のアプリに機能を追加しない。同じように優秀なネットワーク製品の担当者も最初から闇雲にユーザーを参加させないのだ。」

「ネットワーク製品では初期ユーザー、つまり誰がいて、なぜ参加していて、互いにどう交流しているかが、サービスの機能設計と同じくらい重要なのである。そのサービスのネットワークに最適なユーザーはどういう人なのかを考えよう。それがサービスのユーザーを惹きつける力、文化、成長力を決定づけるのである。」(p.153)

たくさん集まれば良いというわけではないということです。

とくに、最初は、製品・ネットワークに合うユーザーを集めることが大切ということです。

これが、このあとのネットワークの成長に関わってくるということですね。

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『ネットワーク・エフェクト 事業とプロダクトに欠かせない強力で重要なフレームワーク』

おすすめ度

★★★★☆

ネットワーク・エフェクトという言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
本書では、そのネットワーク・エフェクトをどのように実現していくのかというフレームを、実例とともに説明されています。
ネットワーク・エフェクトを活用したい方が読まれると、参考になることが見つかるはずです。

おすすめしたい方

ビジネスパーソン。
経営者。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

コールドスタート理論

1 コールドスタート問題 初期段階で破壊的な作用をもたらすステージ
2 転換点: 拡大ペースが速まり、拡大しやすくなるステージ 
3 脱出速度: 製品の成長が軌道に乗るステージ
4 天井: 成長が停滞するステージ
5 参入障壁: ネットワークを駆使して競合他社から自社を守れるようになるステージ

コールドスタート問題を解決するには?