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『そのビジネス、経済学でスケールできます。』ジョン・A・リスト


ビジネスを大きくする。

本書では、経済学によって、ビジネスをスケールさせる方法などについて書かれています。

前半は、スケーリングできない理由について、
後半は、スケーリングに役立つ手法などについて説明されています。

『そのビジネス、経済学でスケールできます。』ジョン・A・リスト

『そのビジネス、経済学でスケールできます。』ジョン・A・リスト

『そのビジネス、経済学でスケールできます。』ジョン・A・リスト

目次

第1部 アイデアの実現のためのチェックリスト

第1章:思い込みや偽陽性はないか
第2章:対象者を過大評価していないか
第3章:大規模には再現できない特殊要素はないか
第4章:ネガティブなスピルオーバーはないか
第5章:コストがかかりすぎないか

第2部 効果をもたらす4つの方法

第6章:スケールするインセンティブを使う
第7章:「限界革命」を導入する
第8章:やめるが勝ち
第9章:スケーリングの文化に変える

『そのビジネス、経済学でスケールできます。』のここに注目・言葉・名言

「ここまでではっきりしたと思うが、スケーリングを阻む最も危険な障害は、無知ではなく、 知っているという幻想だ。そして、それはデータの読み違いか、隠れた認知バイアスか、まったくの詐欺による。幸い、こうした障害はどれも克服できる。とはいえ、独立再現性のある確かなデータがあり、信頼できる人物が責任をもち、適切なインセンティブを導入したとしても、事業やアイデアをスケールアップできる保証はない。
特定のグループのあいだでアイデアが証明されたとしても、それがそのまま一般の人々にあてはまるわけではない。あなたのアイデアや製品の恩恵を受ける人たちは、スケーリングのメリットがあるほど、十分大きなグループを代表しているだろうか。この問いの答え次第で、事の成否が決まる。」(p.35)

知っているという幻想

スケーリングを阻む最も危険な障害は、無知ではなく、知っているという幻想だということです。

知っている、わかっている。

そう思うことが、スケールを阻むということですね。

知らないと思っていたら、調べたりするかもしれませんが、わかっていると思っていたら、そのまま突き進んでしまうことが多いでしょう。

まずは、知らない、わかっていないと考えて、調べること、考えることなどから始めると良さそうですね。

拡大するには

「だが、 Gopuff の収益が上がるにつれ、市場は頭打ちになることを2人は理解していた。大人のライフスタイルは、大学生のそれとは違う。ということは、膨大な潜在顧客基盤を目下は無視している、ということでもある。流通網は既に整備していて、拡張を続けることはできる。だが、拡張するには、提供する商品やサービス、そして誰に提供するのかを考え直す必要があった。

どこでも通用する万能策はない

2020年、ラファエルとヤキールから、新市場への参入方法をめぐって相談を受けたわたしは、年齢階層の異なる(年配の)顧客の実態を的確に把握しなければ、事業の拡大は失敗する可能性がある、と伝えた。賢明な彼らは、さまざまな新規顧客をつかむには、幅広い商品を揃える必要があることに納得した。要するに、手をつけるべきなのは多様化だ。たとえば年配の顧客に届けるには、通常のコンビニではなく、即時配達のドラッグストアになる必要があるだろう。」
(p.66-67)

一般受けするために

初めは、特定の人の特定のニーズや課題を解決するということで、うまくいくわけですが、だとすると、それは限られた需要を満たすということになります。

それでは、スケールするのは難しい。

だから、スケールするには、また別の利用者やお客様のニーズを把握して、商品やサービスを提供していくことが必要になるということです。

取り入れたいと思ったこと

「セルフイメージと社会的規範

わたしが実施した他のフィールド実験でも、この種のインセンティブは、どんな状況でも、どんな人々に対しても有効であることがあきらかになっている。 たとえば、省エネ型の蛍光灯は多くの利点があるにもかかわらず、アメリカ人家庭では抵抗感が強いが、シカゴでおなじように近隣住民と比較したメッセージを送る実験を行なった結果、多くの蛍光灯の利用を増やすことができた。この結果から、 セルフイメージや社会的規範を守ろうとするパワーの活用は、人々の行動を環境や社会にプラスになるように変えるだけでなく、当初は抵抗感の強い最新のテクノロジーの普及にも一役買うことができるかもしれない。」(p.179)

何かを利用してもらう際に、近隣の人も使っていますと伝えていくと、利用してもらいやすいということのようです。

これは、地域の話ですが、似たような人が使っていますと伝えることで自分も使ってみようかと思ってみるというのはありそうですね。

こういう方法が、スケールというかサービスや商品の利用を促すには有効ということです。

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『Amazon Mechanism (アマゾン・メカニズム)― イノベーション量産の方程式』
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『Amazon Mechanism (アマゾン・メカニズム)― イノベーション量産の方程式』谷 敏行 - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

こちらの本は、Amazonのイノベーション量産の方程式、方法などについて書かれています。
Amazonからイノベーションについて学びたい方が読まれると、参考になることが見つかると思います。

『そのビジネス、経済学でスケールできます。』ジョン・A・リスト

おすすめ度

★★★★☆

ビジネスを拡大、スケールするには、どうすると良いのか。
その考え方や方法などについて、経済学的な観点から書かれています。
ビジネスをスケールさせたい方が読むと、参考になるはずです。

おすすめしたい方

ビジネスをスケールさせたい方。
経営者。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

知っているという幻想がスケールを阻む

知っているという幻想を持っていませんか?