顧客からマーケティングを考える方法などについて書かれています。
実在する「一人の顧客」の行動と心理を分析し、強い「アイデア」を生み出す方法などです。
マーケティング調査というと、多くの人にアンケートを取るなどがありますが、本書では、1人の人を深掘りしてアイデアを考えていくという方法などが紹介されています。
『実践 顧客起点マーケティング たった一人の分析から事業は成長する』西口 一希
目次
序章 顧客起点マーケティングの全体像
第1章 マーケティングの「アイデア」とN1の意味
第2章 基礎編 顧客ピラミッドで基本的なマーケティング戦略を構築する
第3章 応用編 9セグマップ分析で販売促進とブランディングを両立する
第4章 ケーススタディ スマートニュースのN1分析とアイデア創出
第5章 デジタル時代の顧客分析の重要性
『実践 顧客起点マーケティング』のここに注目・言葉・名言
「四象限で定義するアイデア
本書における「アイデア」を端的に定義すると、「独自性」と「便益」の四象限で表すことができます。結論を先に言うと、独自性と便益を兼ね備えた「アイデア」があるかどうかが、マーケティング上で最も重要な要素です。
独自性とは、他にはない特有の個性であり、唯一無二とも言い替えられる、既視感のない特徴です。英語では、"Only-one Uniqueness" とも言えます。筆者はさらに、 "Never" の要素が揃っている ことと定義しています。見たことのない、聞いたことのない、触ったことのない、嗅いだことのない、経験したことのないという、五感で感知したことがない個性です。そうしたものに、人は注目します。つまり独自性の有無は、注目に値するかどうかで確認できます。
一方で、便益とは、顧客にとって都合がよく利益のあることを意味します。ベネフィットやメリットとも表されますが、それを利用することで得られる有形無形の価値であり、「便利、得、有利、 快、「楽」などがあります。 便益は、その商品やサービスを買うに値するか、時間を使うに値するかの判断を左右します。」(p.30)
独自性と便益
独自性と便益を兼ね備えた「アイデア」があるかどうかが、マーケティング上で最も重要な要素だということです。
便益と独自性。
便益は、買う理由になりますよね。
そして、独自性は、他にはないということで、ここでしか買えないということになります。
この2つがあると、価値あるアイデア、商品になるということです。
マーケティングの成功に必要な3要素
「つまり、強い「プロダクトアイデア」と「コミュニケーションアイデア」に加えて「ターゲット顧客での早期の認知形成」が成功の3要素だと言えます。また追随者から見れば、優れた「プロダクトアイデア」を有しながらも、その認知形成に遅れている商品やサービスを見つけて、自社でプロダクト開発をして一気に認知を取れば、カテゴリーを奪うことが可能です。特許技術や政府規制などの特殊な参入障壁がない限り、顧客の視点では、本家本元かどうかは関係なく、認知をいち早く形成した競争者が“本物”としてカテゴリーを支配することになります。」(p.44)
強い「プロダクトアイデア」と「コミュニケーションアイデア」と「ターゲット顧客での早期の認知形成」
マーケティングの成功に必要な3要素は、強い「プロダクトアイデア」と「コミュニケーションアイデア」「ターゲット顧客での早期の認知形成」の3つということです。
独自性と便益のある、「プロダクトアイデア」と「コミュニケーションアイデア」を持って、「ターゲット顧客での早期の認知形成」を行うとカテゴリーのシェアを高くすることができるということです。
取り入れたいと思ったこと
顧客ピラミッドや9セグマップといった、顧客の分類から、どのような顧客にアプローチすると良いかという考え方、方法が紹介されています。
これらをマーケティングの考え方として、取り入れたいと思いました。
あわせて読みたい
『企業の「成長の壁」を突破する改革 顧客起点の経営』西口 一希
こちらは、顧客の行動や心理から考えて、経営を行っていく方法、フレームなどについて書かれています。
顧客起点の経営を行いたい経営者などが読まれると、参考になることが見つかると思います。
『実践 顧客起点マーケティング たった一人の分析から事業は成長する』
おすすめ度
★★★★☆
1人の顧客からマーケティングを考えていく方法などについて書かれています。
顧客起点でマーケティングを考えたい方が読まれると、参考になるはずです。
おすすめしたい方
マーケティング担当者。
経営者。
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
独自性と便益を兼ね備えた「アイデア」があるかどうかが、
マーケティング上で最も重要な要素
独自性と便益がありますか?