『事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学』ターリ・シャーロット

- 作者: ターリシャーロット,上原直子
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 2019/08/11
- メディア: 単行本
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この本の目次
はじめに――馬用の巨大注射針
1 事実で人を説得できるか?(事前の信念)
データでは力不足/賛成意見しか見えない/グーグルはいつもあなたの味方/賢い人ほど情報を歪める?/なぜこうなってしまったのか/投資と信念/新しい種をまこう
2 ルナティックな計画を承認させるには?(感情)
同期する脳/感情という名の指揮者/カップリング/気持ちを一つに/インターネットの扁桃体/あなたの心は唯一無二?
3 快楽で動かし、恐怖で凍りつかせる(インセンティブ)
手洗いと電光掲示板/二人の主権者/接近の法則と回避の法則/進むべきか、止まるべきか/期待が行動を導く/「死んだふり」/いますぐちょうだい! /未来はあてにならない/脳の自動早送り機能
4 権限を与えて人を動かす(主体性)
恐怖vs.事実/コントロールを奪われて/納税はなぜ苦痛なのか?/「選ぶこと」を選ぶ/選択の代価/健康で幸福な老人/自分で刈った芝生は青い
5 相手が本当に知りたがっていること(好奇心)
ギャップを埋める/情報は気持ちいい! /良い知らせ、悪い知らせ/知らぬが仏/頭の中の巨大計算機/知らずにいることの代償/エゴサーチが怖い
6 ストレスは判断にどんな影響を与えるか?(心の状態)
プレッシャーが招く悲観主義/弱小チームはなぜ安全策を選ぶのか/リスクの冒し方/扁桃体を手なづける/晴れの日とギャンブル
7 赤ちゃんはスマホがお好き(他人 その1)
生まれた日から始まる社会的学習/シンク・ディファレント?/メルローを注文する奴がいたら俺は帰る! /アマゾンレビューを操作する/他人の意見と記憶の改変/最初に飛び込むのは誰?/心の理論
8 「みんなの意見」は本当に正しい?(他人 その2)
多ければ正しくなる?/人間体温計/わが道を行くことの難しさ/個人の中の賢い群衆/雪だるま式に膨らむバイアス/平等バイアスにご用心/びっくりするほど人気の票
9 影響力の未来
二つの脳をつなぐワイヤ/私の思いがあなたを動かす/私は私の脳である
事実はなぜ人の意見を変えられないのか
本書のテーマは、意見を変えるということです。
事実があれば、人は意見を変えそうなものなのにというのが前提としてあるのかもしれません。
説得力と影響力の科学とあるように、このあたりが本書のテーマです。
ここに注目・言葉・名言
「実のところ、自分の意見を否定するような情報を提供されると、私たちはまったく新しい反論を思いつき、さらに頑なになることもある。これを「ブーメラン効果」という。」(p.24)
意見を否定されると、新たな反論を考える
ある意味、面白いですよね。
自分の意見に固執するというか、意見を補強するような情報などを集めたりするということです。
こういうのを、自分の中で防ぐには、反論を集めると良いわけですけれど、他人にそれを求めても、やってはもらえないでしょう。
では、どうすると良いか?
間違いを指摘するよりも
「間違いを証明しようとするのではなく、共通点に基づいて話をすることで、相手の行動に影響を与える。」(p.41)
メリットを伝える
相手の意見を否定したり、間違っていることを証明しようとしても、さらに相手が頑なになってしまうこともあるでしょう。
そうではなくて、メリットなどを伝えて、相手の行動や意見に影響を与えると良いということです。
例えば、温暖化対策に、ガソリン車に乗るなというよりは、電気自動車に乗ろうとか、自転車に乗ろうというほうが、まだ聞く耳を持ってもらえるかもしれません。
取り入れたいと思ったこと
意見が間違っていると、間違っていると言いたくなりますよね。
ただ、そこを、こっちのほうがいいと言えると違ってくるというのはあります。
もちろん、それでも、相手が意見を変えるかどうは、相手次第ですけれど。
あわせて読みたい
『人に頼む技術 コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学』
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『人に頼む技術 コロンビア大学の嫌な顔されずに人を動かす科学』 - ビジネス書の書評ブログ:ビジネス書をビジネスのチカラに
なぜ人に頼むのが苦手なのか、あまり好きになれないのか、そんなことについても書かれています。
このあたりを知りたいという方も、読んでみると参考になるだろうと思います。
そして、頼み方、頼む技術を知りたい方も読んでみると良いですね。
『事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学』ターリ・シャーロット

- 作者: ターリシャーロット,上原直子
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 2019/08/11
- メディア: 単行本
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人の意見を変える。
それは、相手次第のところがありますね。
というのがあるのですが、どうすると変わりやすいのかを知っておくのも良いかもしれません。
おすすめ度
★★★★☆
事実で意見を変える人は少ないのかもしれません。
とすると、人の意見を変えたいなら、どうすると良いのかというのが出てきますね。
そんな疑問を持っている方が読まれると、参考になると思います。
おすすめしたい方
説得力などについて考えたい方。
ビジネスパーソン。
『事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学』
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
意見を否定されると、新たな反論を考える
人の意見を変えたいですか?