『いま哲学に何ができるのか?』ガリー・ガッティング
本の目次
第1章 政策論争は不毛か?
第2章 科学の取扱説明書
第3章 科学の限界
第4章 科学にもとづく無神論
第5章 宗教的不可知論
第6章 幸福、仕事、資本主義
第7章 資本主義社会における教育
第8章 アートの価値とは?
第9章 人工妊娠中絶は殺人か?
第10章 哲学にできること
哲学
堅苦しい、むずかしい。そんなイメージがあるのではないでしょうか。
そんな哲学ができることについて、本書では書かれています。
大衆哲学ということで、学術的哲学者が行う専門的で特殊な研究を社会に適用していことが書かれています。
幸福や道徳、政策論争など、社会において、哲学の知見をどう使えるのか、ということを取り上げています。
ここに注目・言葉・名言
「科学者もさまざまな根本的な問題に取り組みたいと考えているし、データや理論は議論に貢献しうるものだ。しかし、そのような方向に突き進んでいくと、やがて実証的方法では答えられない意味や価値の問題にぶつかることになる。」
(p.119)
科学の限界、と意味や価値
科学や技術は、生活を豊かにするなどありますね。
それは、合理的なアプローチをすることが多いです。「証拠」や「実証」が大切になっています。
しかし、いくら実証を探しても、意味や価値については、答えを見つけるのは、むずかしい。
というよりも、意味や価値を与えるのは、人間であって、世界ではないということがわかってきます。
おそらく、ここに、哲学の価値があるわけです。
幸福
「幸福には4つの要素(幸運、仕事、快楽、愛情)がある。だが、最初のものは文字どおり運に左右される。幸福を実現するためには、肉体的、精神的苦痛から解放されていなくてはならない。」(p.193)
幸福とは?
そして、幸福とはといったことは、科学的アプローチだけではむずかしい。
いつの日か、数値ができて、幸福を比較できるようになる日が来るのかもしれませんが、少なくとも今は、幸福については、自分で考えて、判断するということが必要です。
そして、哲学・哲学者は、幸福について、長い間考えてきました。
4つの要素があるだろうということです。
この4つがうまいこと行くと、幸福だと感じやすいということですね。
取り入れたいと思ったこと
議論の大切さが書かれています。
人と議論することで、考えが深まるということがある。
そういう意味で、議論して考えるというのは、重要ですし、あらためて、取り入れたいと思いました。
あわせて読みたい
『図解 世界5大宗教全史』中村 圭志
意味や価値ということだと、宗教が考えてきたことだろうと思います。
宗教について知りたい方は、こちらも合わせて読んでみてください。
宗教と哲学がわかると、考えるということの幅や深さが出てくるはずです。
『いま哲学に何ができるのか?』ガリー・ガッティング
哲学に何ができるのか。
大衆哲学ということで、哲学が考えてきたことを、社会に適用するにはどうすると良いかということが書かれています。
一般の生活にも、応用できることが見つかったりもするでしょう。
自分の頭で考えるために、哲学がどう使えるのかということなどがわかると思います。
考えたい方は読んでみてください。
おすすめ度
★★★★☆(★4.3)
哲学に何ができるのか。哲学に興味がある方が読まれると、参考になると思います。
また、哲学を社会に適用するには?ということを考える参考にもなるでしょう。
考えたい方は読んでみてください。
おすすめしたい方
考えたい方。
哲学に興味がある方。
『いま哲学に何ができるのか?』ガリー・ガッティング
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