「欲しい! 」はこうしてつくられるということで、人間の欲しい気持ちは、どうやって作られるのかということについて、脳科学者とマーケターが書かれています。
欲求に興味がある方が読まれると、参考になることが見つかると思います。
『「欲しい! 」はこうしてつくられる 脳科学者とマーケターが教える「買い物」の心理』
目次
目に見えないものを見る力
第1章 あなたが食べているのはメニュー――舌を騙すマーケティングのトリック
第2章 アンカーを下ろす――相対性の神経科学
第3章 瞬間をつくる――マーケティングの機会は体験と記憶の狭間にある
第4章 記憶をリミックスする――過去をたどると人は前へ進む
第5章 二つの意識――消費者が決断を下すときに衝動が果たす役割
第6章 快-不快 =購入――快・不快が購入にどうかかわるのか
第7章 依存2・0――デジタル時代における強迫行動を収益化する
第8章 人はなぜ特定の何かを好きになるのか――好みという奇妙なものを探る
第9章 共感と人間どうしのつながり――ブランドが密かに使う言語
第10章 あらゆるものの本質――本質主義を知り、愛着(と売上)の生まれ方を理解する
第11章 ミドリミナル――【サブ(打消し線)】ミドリミナル・マーケティングを知る
第12章 マーケティングの未来
『「欲しい! 」はこうしてつくられる』のここに注目・言葉・名言
「脳が現実を直接的に体験することはない。その代わり、現実のモデルとなるものを構築する。そのモデルを、神経科学の世界では「メンタルモデル」と呼ぶ。脳は絶えずモデルをつくり続けている。何かをひと口食べても、私たちが体験するのは食べ物そのものではない。それを食べたときの体験はこうあるべきだという脳の推測を体験している。舌が受ける刺激はモデルの構築に一役買うが、ほかにも貢献するものはたくさんある。脳は、現実をできるカり正確に複製しようと努めるが、ドッグフードやワインの実験からわかるように、脳が構築するモデルは完璧とは程遠い。
メンタルモデルは驚くほど影響を受けやすく、しかも影響を受ける可能性のある要素の数は膨大だ。また不可能ではないにせよ、「修正」も難しい。現実と比較して間違いを知ることは絶対にできない からだなにしろ、私たちにはメンタルモデルしか体験できない。ということは、ブランドや企業が私たち消費者のメンタルモデルに影響を与えれば、それは私たちの現実の体験に直接影響を及ぼしたことになる。」
(p.19-20)
脳が現実を直接的に体験することはない
脳が現実を直接的に体験することはないということです。
現実とは何かという話になっていきそうですが、脳が理解する、脳で理解する。
モデルによって理解するということですよね。
そして、メンタルモデルは、なかなか修正が難しいということです。
自分でよほど意識して変えようとしない限りは、難しいのかもしれません。
ものの価値
「ものの価値は、そのものだけの価値では算出されない。価値の知覚には、基準となる何かが必ず付随する。その何かがアンカーだ。 最近買ったものやほかの選択肢の金額が基準となることもあれば、身近 にある適当な数字がそうなることもある。ここで覚えておいてほしいのは、脳は何かを見たときに、その客観的な価値を探すようにはできていないという点だ。その代わり、何らかの数字を探し、その何かとの関連性の有無にかかわらず、見つけた数字を価値に結びつけようとする。」(p.66)
比較して
ものの価値は、そのものをそのまま算出するのは、難しいようです。
何かとの比較で決まるようですね。
円安で、このところ物価が上がっていますが、これも、以前よりは高いということになりますね。
もっと昔よりは、安いわけですが、アンカー、基準は、やはり最近の価格となるでしょうから。
取り入れたいと思ったこと
「オートマチックモードは、意思決定のときであっても必ずしも悪いものであるとは言えない。決断の速さが、じっくり検討することのメリットを上回ることはある。これはほかの場面と同じく、消費の世界にも当てはまることがある。それでもやはり、買う決断をするときに認知を制御する力が大きいほど、利益、それも長い目で見た場合の利益を最大化しようとする傾向が高いようだ。」(p.169-170)
衝動買いなどは、時には悪くないということもあると思います。
ただ、衝動買いばかりだと、お金を無駄に使ってしまうというのもあるでしょう。
長い目で見て、メリットのある買い物をしたいものですね。
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こちらの本は、Z世代が、どのように考えて、モノなどを購入するかといったことが書かれています。
Z世代に対するマーケティングを考えたい方が読まれると、参考になることが見つかると思います。
『「欲しい! 」はこうしてつくられる 脳科学者とマーケターが教える「買い物」の心理』
おすすめ度
★★★★☆
欲しいという感情、気持ちはどうやって作られるのか。
この点について、脳科学者とマーケターが書かれています。
買い物の心理などに興味がある方が読まれると、参考になることが見つかると思います。
おすすめしたい方
ビジネスパーソン。
マーケター。
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
長い目で、買い物をする
衝動買いが多くありませんか?