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『桁違いの成長と深化をもたらす 10X思考』名和高司。システム・シンキングとは?


桁違いの成長をもたらす 10X思考(テンエックス思考)ということです。

ロジカル・シンキング、デザイン・シンキング、そしてシステム・シンキングについて書かれています。

『桁違いの成長と深化をもたらす 10X思考』名和高司

『桁違いの成長と深化をもたらす 10X思考』名和高司

『桁違いの成長と深化をもたらす 10X思考』名和高司

目次

第1部 思考法の進化
 第1章 ロジカル・シンキングの限界
 第2章 デザイン・シンキングの罠
 第3章 システム・シンキングの可能性
第2部 異次元へのワープ
 第4章 3つのマクロトレンド
 第5章 5つのパラダイム・シフト(PS:軸ずらし)
第3部 組織と仕事の未来
 第6章 進化する組織
 第7章 ライフ・シフト、ワーク・シフト
第4部 異次元思考への道
 第8章 思考の新しい地平
 第9章 目指せ、10X人財

『桁違いの成長と深化をもたらす 10X思考』のここに注目・言葉・名言

「システム・シンキングとは

システム・シンキングは、ロジカル・シンキング、デザイン・シンキングの限界を超える3つ目のパラダイムである。
部分にとらわれず、エコシステム(生態系)や社会システムなど世の中をシステムとして捉える思考法である。そして、情報の関係性や因果ループなどを手掛かりとして、全体の系を考えながら問題解決を図ろうとするものである。
3つの思考法をトポロジカルに整理すると、図5の通りとなる。
ロジカル・シンキングは、問題の核心に素早く効率的に肉迫するために、全体を要素に分解して いく思考プロセスである。それに対して、システム・シンキングは、全体の関係性を俯瞰するため に要素を統合していくという正反対のプロセスをたどる。
デザイン・シンキングでは、個性が尊重され、百人百様のデザインが志向される。それに対して、システム・シンキングでは、個々の関係性や全体の調和が志向される。都市デザインや社会デザインの分野では、局所解ではなく、全体解が志向されるため、システム・シンキングに近づいていく。ただし、デザイン・シンキングは空間軸での最適解を目指そうとするのに対して、システム・シンキングは、システム全体の構造だけでなく、関係性の進化をもっとも重視する。すなわち空間軸に加えて時間軸を考慮に入れているのである。」
(p.93-94)

システム・シンキング

因果などを考えつつ、全体的に捉える思考法ということです。

全体最適などを考えやすい思考法だと思います。

また、インプットがアウトプットにどのように影響を与えるのかや、関係性も考えるので、部分だけではなく、周りの関係なども考慮するといったこともあります。

因果やループなどを考えるところが、他の思考法とはとくに違うところと感じます。

メビウス運動

「メビウス運動

「時間軸と空間軸を それぞれ3つに分節することで、3x3のマトリクスが浮かび上がる。そして、その中に、イノベーションを生み出す有機的な企業活動をプロットすることができる。
私はこれを「メビウス」運動と名付けている(図31)。前述した『学習優位の経営』で提唱したフレームワークである。

9つの象限の中でも、知恵の絞りどころは、5つの象限である。

顧客現場
組織DNA
顧客洞察
成長エンジン
事業現場

イノベーションを起こそうとするときの起点であり目標地点は、常に市場である。すなわち顧客現場こそが、イノベーションの表舞台ある。
ただし、イノベーションの本質が未来の市場創造である以上、既存顧客の声だけを聴いていてもイノベーションは起こらない。
顧客の声なき声を聴く。未顧客が、なぜ顧客になっていないかを理解する。
そして未来の顧客の「ありたい姿」を構想する。そのすべてのヒントが右上の顧客現場の象限に埋まっている。それを的確に発掘することが、イノベーションの出発点となる。ただし、オペレーションが得意な日本企業の多くは、せっかく顧客現場での気づきを、右下の事業現場でのカイゼンに落とし込んでしまいがちだ。器用な「小技」としては有効だが、これでは大きなイノベーションは生まれない。」
(p.284-285)

イノベーション

9つの象限の中で、上の5つで、イノベーションが起こりやすいということです。

これらが連関して、大きなイノベーションが起こるとのこと。

とくに、顧客の現場で起こりやすいということです。

顧客が抱えている課題を考えると、イノベーションにつながりやすいのではないでしょうか。

未顧客の未来の理想などでしょうか。

いずれにしても、これらの「メビウス運動」でイノベーションが起こしやすいということです。

取り入れたいと思ったこと

「このような「ゆらぎ・つなぎ・ずらし」こそ、イノベーション活動の真髄である。そして前述したように、これこそ、生物が進化するプロセスそのものでもある。」(p.288)

ということで、「ゆらぎ・つなぎ・ずらし」を取り入れていきたいと思いました。

あわせて読みたい

『世界はシステムで動く』ドネラ・H・メドウズ

『世界はシステムで動く』ドネラ・H・メドウズ - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ

www.biztikara.com

こちらの本もシステム思考などについて書かれています。

システムのように世界が動いている。
こういうことがわかると、思考や行動が変わってきます。
システムとして、世界を捉える。
そんな思考をしたい方が読まれると、参考になる一冊です。

『桁違いの成長と深化をもたらす 10X思考』名和高司

おすすめ度

★★★★☆

桁違いの成長などをもたらすための10X思考ということが書かれています。

どのような思考で行動していくと、桁違いの成長やイノベーションにつながりやすいのかといったことに興味がある方が読まれると、参考になると思います。

おすすめしたい方

ビジネスパーソン。
経営者。

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

システム・シンキングは、ロジカル・シンキング、デザイン・シンキングの限界を超える3つ目のパラダイムである

システム思考をしていますか?