『テクノロジーが雇用の75%を奪う』マーティン・フォード
テクノロジーで雇用が減る
テクノロジーが発達すると雇用が減る。
これは、よく言われていることでしょう。
しかし、どこまで減るのか。
本書では、今ある雇用の75%が減るということです。
▼ ここに注目 ▼
「トンネルのシュミレーションと南部の奴隷制の検証は、完全な機械化がある程度の規模で市場に浸透した場合、大量消費市場を基盤として発展してきた経済は、最終的に衰退に転じるのは避けられないという説を支えてくれる。その理由はいたって簡単だ。市場全体から考えれば、実は仕事を通じて所得を得ている人たちこそ、この市場で売られている財やサービスを購入するその本人にほかならない。」(p.37)
機械化によって、市場が衰退する
機械化で雇用が減ると、購入する人が減るので、市場規模が縮小する。
こういうことが起こるだろうということです。
たしかに、そういう方向があるのかもしれません。
仮にそうだとしたら、どれくらいになるか、意見のわかれるところではないでしょうか。
短命になっていく雇用
「「テクノロジーが新たな雇用を生み出す」という古くからの考えは、経済学者や研究者らによって広く知られるようになった。たしかに歴史的にはそれにちがいないのだが、しかし、歴史を振り返ってみれば、こうして誕生した雇用はやはり新たなテクノロジーの登場でまたたく間に消え去ったのも明らかだ。」(p.78)
雇用は短命になっていく?
テクノロジーによって新たな雇用が生み出される。
これは、これまで言われてきました。
しかし、こういう雇用も消えていっていたりします。
例えば、ワープロが登場してタイプの仕事が生まれましたが、タイピングなどは「消えていった」職業でしょう。
▼思ったこと
知識労働も、オートメーション化で減っていくだろうと、本書では書かれています。
この分野が人工知能などでこれから伸びていくから、人間が考える部分も減っていくだろうということです。
たしかに、そういうことが起こりそうなところはあるでしょう。
分析などではない分野で、知識労働をしていくと良いのかもしれません。
とは言え、創造の分野でも置き換わっていくこともありそうです。
テクノロジーが雇用の75%を奪う
テクノロジーの発展で、雇用が減っていく。
そんな未来について本書では書かれています。
どのように雇用が減っていくのか。そんなことを考えたい方が読まれると、参考になると思います。
▼ あわせて読みたい ▼
『大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』タイラー・コーエン
『ロバート・ライシュ 格差と民主主義 』ロバート・B. ライシュ
▼ おすすめ度 ▼
★★★★☆
▼ おすすめしたい方 ▼
これからの雇用について考えたい方。
ビジネスパーソン。
★『テクノロジーが雇用の75%を奪う』マーティン・フォード
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