脳の神経伝達物質のドーパミン。
聞いたことがあると思います。
本書では、そのドーパミンについて書かれています。
『もっと! : 愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学』
目次
はじめに: 上と下
第1章: 愛 -- 恋愛から友愛へ
第2章: 依存症 --「欲求ドーパミン」の駆動力
第3章: 支配 --「制御ドーパミン」の達成力
第4章: 創造と狂気 --すごい発想が生まれる源
第5章: 政治 -- 保守とリベラルの脳の違い
第6章: 進歩 -- 新しさを求め冒険する気質
第7章: 調和 -- ドーパミンとH&Nのバランスをとる
ここに注目・言葉・名言
「私たちの脳は予想外のものを希求し、ひいては未来に、あらゆるエキサイティングな可能性がはじまる未来に関心を向けるようにプログラムされている。だが、愛であれなんであれ、それがおなじみのものになったら、その興奮は薄れ、新たな対象が私たちの関心を引きはじめる。
この現象を研究する科学者たちは、私たちが目新しいものから得る興奮を「報酬予測誤差」と名づけた。」(p.018)
報酬予測誤差
予測よりも良さそうなものがあるということを期待する。
この誤差が、ドーパミンを始動させるものということです。
何か良さそうなものがありそうという、ある意味「予感」のようなものがあると、ドーパミンが出て、人を動かそうとするわけですね。
期待や良いものの予感、そういった未来を感じ取ると、ドーパミンが放出されるようです。
人間の本質
「哲学者に人間の本質を尋ねてみるといい。自由意志という答えが返ってきても意外ではないだろう。人間の本質は、本能を乗り越え、環境に対する無意識の反応を越えて行動する能力にある。それはつまり、選択肢を比較検討し、価値観や原理といった高次の概念を考慮し、みずからが良いと信じるものーーそれが愛であれ金であれ高尚な精神であれーーを最大化する方法を慎重に選択する能力だ。それはまさに、ドーパミンだ。」(p.281)
ドーパミンがきっかけに
人間の本質が自由意志であるなら、人間の本質のきっかけがドーパミンなのかもしれません。
いずれにしても、ドーパミンが、未来の期待から出てくるということなので未来に関わることです。
未来に向けて行動できるというのは、人間の特質の一つでしょう。
長期的なことを考えられるのは、人間だけかもしれません。
そのきっかけは、ドーパミンにあるということなのかもしれませんね。
思ったこと
ドーパミンは未来のことなのですが、本書では、Here & Now(ここ今)も必要だと解説されています。
人間は、今にしか生きられないわけで、それは当然ですよね。
その上で、未来も考える。
両方を見つつ、改善していくと、より良い、今と未来を得られるのだろうと思います。
ある意味、よくある考え方かもしれません。しかし、現実や人間の脳などを考えてみると、やはりこういった結論にならずを得ないところですね。
ドーパミン的には、あまり興奮しない考えかもしれませんが。
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『もっと! : 愛と創造、支配と進歩をもたらすドーパミンの最新脳科学』
ダニエル・Z・リーバーマン,マイケル・E・ロング
おすすめ度
★★★★☆
ドーパミン。脳の神経伝達物質です。
ドーパミンに興味がある方が読んでみると、参考になることが見つかるかもしれません。
おすすめしたい方
ドーパミンに興味がある方。
ビジネスパーソン。
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
報酬予測誤差
人間の本質は?