『ビッグバン・イノベーション――一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ』
ラリー・ダウンズ,ポール・F・ヌーネス
ビッグバン・イノベーション――一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ
- 作者: ラリー・ダウンズ,ポール・F・ヌーネス,江口泰子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/02/13
- メディア: 単行本
本の目次
はじめに ほんの数日で競争優位が消し飛ぶ世界で
第1部 ビッグバン・イノベーション
第1章 ビッグバン・イノベーションとは何か──よりよく、より安い世界で強いられる競争
第2章 ビッグバン・イノベーションの経済学──クラウド、シェア、IoTがあらゆるコストを低減させる
第3章 シャークフィン──製品ライフサイクルは、もはや「キャズム」に従わない
第2部 ビッグバン・イノベーションを生き延びる戦略
第4章 特異点──市場に投入するための期間が、市場に投入してからの期間よりも長い
第5章 ビッグバン──「破滅的な成功」そのものがイノベーターを追い詰める
第6章 ビッグクランチ──みずから起こしたイノベーションに首を絞められる前に
第7章 エントロピー──撤退すらできない地獄からどう抜け出すか
おわりに それでも、希望は残されている
イノベーションによる変化
本書のタイトル、ビッグバン・イノベーションということから、どういうことをイメージするでしょうか。
ちょっとわかりにくいかもしれません。
本書の副題が、どういうことかを少し説明していますね。
短期間に爆発的に成長して、その後、すぐに衰退に転じてしまうような、そんな急激な成長と衰退のあるイノベーションということです。
本書は、そんな急激なイノベーションにどう対応するかということについて書かれています。
ここに注目・言葉・名言
「私たちはこの普及モデルを「シャークフィン(サメのひれ)」と名づけた。シャークフィンは4つのステージ――「特異点」「ビッグバン」「ビッグバンクランチ」「エントロピー」――からなる。」(p.096)
シャークフィンモデル
サメのひれの外側の線は、急激に上に登ってから、すぐに下に下降しますよね。
ビッグバン・イノベーションの変化は、時系列て言うと、一気に上がったかと思うと、一気に下がっていくということです。
ものすごく単純に行ってしまえば、変化が急激だということです。
そして、それは、「一夜にして」起こったような感じに見える変化ということですね。
市場が短期間で変わってしまう。
こういうものが、ビッグバン・イノベーションということです。
ビッグバン市場はひとり勝ち市場
「ビッグバン市場は、本質的に「ひとり勝ち市場」である。シャークフィンのこのステージにおいても、起業家も顧客も、ものごとが加速度的なペースで進むのを感じる。だがとりわけ既存企業は、「ある朝、目が覚めたら、自社のコア製品やコア技術が、よりよく、より安い製品や技術に駆逐されていた」ことに気づくのである。ほんの数か月、いや、たった数週間の差が、大きな勝利か不名誉な撤退かを分ける。」(p.192)
急激な変化が起こる
ビッグバン市場は、大きなイノベーションで、既存の市場を変えてしまう。
このため、既存企業は、自社の市場がなくなっていることに、突然気がつく、といったことになるということです。
それだけ大きく急激な変化が起こるということです。
本書は、そんなビッグバン・イノベーションを起こす方法だけではなく、既存企業の立場でどうするかといったことも書かれています。
このあたりは、親切な書き方と言えるようにも思います。
ただ、結局、撤退して、新たな道を目指すということになるので、そう簡単なことではないということもあります。
取り入れたいと思ったこと
新たな特異点を目指す。
このように市場が急激に大きくなり、そして、小さくなるような場合は、どうすると良いのでしょうか。
衰退し始めて、これ以上は無理だという前に、新たな「特異点」、ビッグバンが起こるような場所に向かうということだそうです。
つまり、市場が収縮してしまうなら、繰り返し、イノベーションを起こせるようにするということです。
たしかに、対処の考え方はそうなのですが、大きなイノベーションを、そう簡単に起こせるものでもないでしょう。
言うは易し行うは難し、なことですね。
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『流れを経営する ―持続的イノベーション企業の動態理論』
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持続的にイノベーションを生み出す企業の経営について書かれています。 知識創造を通して、イノベーション生み出す。 その方法、経営がわかります。 イノベーションを生み出したい方が読まれると、参考になると思います。 読んでみてください。
『流れを経営する ―持続的イノベーション企業の動態理論』 - ビジネス書をビジネスのチカラに
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合わせて読むと、企業や組織として、イノベーションを持続的に起こすための方法がわかってきますね。
こちらも読んでみてください。
『ビッグバン・イノベーション』ラリー・ダウンズ,ポール・F・ヌーネス
イノベーションが、急激な場合は、どうなるのか。
そんなことを考えるのに、参考になりますね。
爆発的な成長と、その後の衰退。
こういうことを考えておけば、そこまで急激な変化でないことにも、対応できるというのはあると思います。
イノベーションや急激な変化への対応に興味がある方は読んでみてください。
おすすめ度
★★★★☆
ビッグバン・イノベーションということで、急激に変化するようなイノベー
ションを起こす方法などについて書かれています。
急激な変化にどう対応するか。
そんなことに興味がある方が読まれると、参考になると思います。
おすすめしたい方
急激な変化にどう対応すると良いかを考えたい方。
経営者。
『ビッグバン・イノベーション――一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ』ラリー・ダウンズ,ポール・F・ヌーネス
ビッグバン・イノベーション――一夜にして爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ
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- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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