『善と悪の経済学』トーマス・セドラチェク
経済学の物語
本書では、経済学を善悪という物語で、語っています。
経済や経済学を、どのように考えるかといったことが書かれています。
▼ ここに注目 ▼
「どんな経済学も、結局のところは善悪を扱っている。経済学は人間の人間による人間のための物語を語っているのであって、どれほど高度が数学モデルも、実際には物語であり、寓話であり、自分を取り巻く世界を(合理的に)理解しようとする試みだと言える。」(p.7)
経済を理解しようとする物語
理解しようとすること自体が、物語だと言われれば、そういう面はあるのでしょう。
いずれにしても、本書では、善悪や欲望の物語として、経済学や経済を語っています。
本書を読んでいくと、その物語が、理解に有益ということがわかります。
欲望
「満たされようとしてつねにより多くを求めるのは自然な傾向であって、文明や人類の本質であるように見える(古代の人々は、このことにはっきりと気づいていた。)さらに踏み込んで、不満は進化の推進力であり、市場資本主義の原動力であると言うこともできよう。」(p.309)
欲望と不満
欲望と不満が、行動と進化の原動力。
こういう面があるということです。
もちろん、それが問題の原因になることもあり得るわけですが。
▼取り入れたいと思ったこと
経済を理解することと、人間を理解することとはつながっているでしょう。
経済は、人間の活動の一部ですから。
そこに、善悪や欲望の話があっても、不思議ではありません。
経済学は、そういった話を単純化して、モデルのように扱いますが、善悪も考えてみると、経済を理解することに役立つと思いました。
善と悪の経済学
人間の物語としての経済学。
善と悪や、人間の欲望といったところから、経済を捉えてみる。
本書では、そのような経済学について書かれています。
経済や経済学を理解したい方が読まれると、参考になると思います。
読んでみてください。
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- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/05/22
- メディア: 単行本
▼ おすすめ度 ▼
★★★★☆(★4.3)
▼ おすすめしたい方 ▼
経済学を理解したい方。
ビジネスパーソン。
★『善と悪の経済学』トーマス・セドラチェク
★【今日の「ビジネス書をチカラに!」】
物語が、理解に有益
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