『悪いヤツほど出世する』ジェフリー・フェファー
『悪いヤツほど出世する』の目次
序章 リーダー教育は、こうして失敗した
第1章 「リーダー神話」は、百害あって一利なし
第2章 謙虚―そもそも控えめなリーダーはいるのか?
第3章 自分らしさ―「本物のリーダー」への過信と誤解
第4章 誠実―リーダーは真実を語るべきか?(そして語っているか?)
第5章 信頼―上司を信じてよいものか
第6章 思いやり―リーダーは最後に食べる?
第7章 自分の身は自分で守れ
第8章 リーダー神話を捨て、真実に耐える
リーダーは、悪いヤツ?リーダー論の嘘と本当
本書『悪いヤツほど出世する』は、リーダー論の本ですね。
タイトルから想像する感じとは、内容はちょっと違うかもしれません。
リーダーは、聖人君子というわけでもなく、現実はもう少し違うということが書かれています。
さらに、実際に、リーダーとして必要なことは何かということも見えてくるかもしれません。
悪いヤツほど出世する?
「自分を売り込むには、謙虚さをかなぐり捨てて、自分の能力や過去の業績や未来の計画に人々を注目させ、自分はその地位にもその報酬にもふさわしい人間だと思わせなければならない。このことは、調査でも裏付けられている。採用面接では、自己宣伝は推薦状に劣らぬ効果を上げるという。」(p.109)
自信があるように見せて、自分を売り込む
自信があるように見えること。これが、高い地位や尊敬などを得る方法だそうです。
謙虚なリーダーがいいという話がありますが、そうではないということです。
この場合、「嫌なヤツ」が出世するということになりそうですね。
いずれにしても、自信があるように見えるということは、評価に影響するということです。実際の業績などはあまり関係がないということですね。
悪いヤツほど出世する?
「嘘をついて損することは、めったにない
リーダーが嘘をつくのは、嘘のもたらすメリットが大きいうえに、デメリットはごく小さいからである。嘘がほとんど罰を受けないのに対し、嘘を告発する勇気を持ち合わせた人は手ひどい罰を受けることがすくなくない。」(p.168)
嘘をつく人が損をしにくい
会社では、嘘をついても、損をしにくいというのがあるということです。
上司であれば、指摘しにくいでしょうし、罰を受けるのが嘘を指摘するほうだとしたら、さらに指摘しなくなってしまうでしょう。
だから、企業の不正会計などが出て来るのでしょうね。
ただ、それでも、大きな嘘は、問題でしょうけれど、小さい嘘は、円滑に物事を進めることもあります。
このあたりは、現実的に対応するというのが必要でしょう。
というのが、本書『悪いヤツほど出世する』の主張ですね。
取り入れたいと思ったこと
『悪いヤツほど出世する』で一貫して書かれているのは、現実的に対応するということだと思います。
例えば、嘘で言えば、嘘をつくのが人間なのだから、嘘のメリットも考えつつ、対応しようとかですね。
性善説、性悪説ありますが、現実から考えて、どうしたら、組織や企業が、うまく回るのかを考えて対応するということでしょう。
詳しいことは、『悪いヤツほど出世する』を読んでみて欲しいのですが、理想だけでも、悲観だけでもない対応をすることが大切だということがわかります。
あわせて読みたい:『「権力」を握る人の法則』
『「権力」を握る人の法則』ジェフリー・フェファー(著)
この『悪いヤツほど出世する』の著者、ジェフリー・フェファー氏の著書です。
権力について書かれていますね。
あわせて読むと、権力とリーダーの相互理解が深まると思います。
『悪いヤツほど出世する』ジェフリー・フェファー
タイトルと内容は、そのまま合っている感じではないかもしれません。
リーダー論の嘘と本当、そんな内容の本ですね。
実際のリーダーは、どういう人なのか。
そして、リーダーがどうすると良いのか。
そんなことを考えたい方が、『悪いヤツほど出世する』を読んでみると良いですね。
他にも、経営やビジネスに示唆に富む本だと思います。
▼ おすすめ度 ▼
★★★★☆(★4.3)
『悪いヤツほど出世する』ということですが、出世の本というよりも、リーダー論の本ですね。
リーダーや経営について興味がある方が読まれると良いと思います。
▼ おすすめしたい方 ▼
人事担当者。
経営者。
『悪いヤツほど出世する』ジェフリー・フェファー
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
自信があるように見えると、高い地位や尊敬などを得ることができる
あなたは悪いヤツですか?