『好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則』楠木建
お悩み相談に答える
『ストーリーとしての競争戦略』などの著者、楠木建氏が、お悩み相談に答えています。
お悩み相談は、結局、「好きなようにしてください」という答えになるということから、本書のタイトル『好きなようにしてください』となっているということです。
個人的には、好きなように、というよりも、「やりたいように」ということだと思います。好きなようにだと、投げやりな感じもありますし。
ここに注目・言葉・名言
「ビジネスとはあっさり言って「商売」です。あらゆるビジネスパーソンは「商売人」でなければなりません。商売である以上、「仕事ができる人」というのは要するに「稼げる人」。逆に言えば、「能力のない人」というのは、要するに商売の稼ぎに直接・間接に貢献できない人のことです。
「稼ぐ」とはどういうことか。きわめて単純です。
それは、
1 売上げが上がる
2 コストが下がる
3 もしくは1と2の両方」(p.306)
仕事ができる人は、稼げる人
仕事の原則というか、仕事ができる人は、稼げる人ということです。
稼ぎに直接・間接に貢献できる人が、できる人ということですね。
こういう人になれば、仕事で必要とされますし、そうでなければ、必要とされるのは、なかなかむずかしいです。
あとは、「好きなようにやればいい」ということです。
そもそも仕事とは
「投資の世界における神様の観もあるウォーレン・バフェットさん。この人はいちいちイイことを言います。彼の名言に「リスクというのは自分が、それをリスクだとわかっていない状態を言う」があります。それと同じで、仕事ができない人は、そもそも「仕事とは何か」がわかっていない。最初の最初でつまづいている。」(p.098)
「僕は経営者ではありませんが、それでも自分以外の誰かの役に立ちたいと思って、いまの仕事をしているわけです。僕だけではありません。世の中で仕事をしている人は皆、「自分以外の誰かの役に立つ」、この一点で世の中と何とか折り合いをつけ、仕事を仕事として成立させているのです。」(p.098)
自分以外の誰かの役に立つのが、仕事
これは、プロ経営者になりたいという人への解答のなかでの言葉です。
仕事とは、自分以外の誰かの役に立つもの。
こういうことです。
これを考えて仕事をしていくことが大切ということですね。
まあ、そうだとするなら、この本のタイトルはどうなのか、ということにもなるとは思います。
少し投げやりな感じですからね。好きなようにしてくれというのが、相手の役に立つこともあるのかもしれませんが。
思ったこと
わたしは、あまり好きなようにすることがいいとは思っていません。
良いときもあると思いますが、「やりたいようにやる」ほうが、まだ良いと思っています。
とくに仕事ではそうでしょう。もっと言えば、仕事なら、必要なことを行うことですよね。
人の役に立つためにするのが仕事なら、そこには、必要なことがあるでしょうから。好きなようにやって、うまくいくならそれでも良いですが、そういうことはあまり多くはないでしょうね。
あわせて読みたい
『プロフェッショナルの条件』ピーター・F・ドラッカー
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
- 作者: P・F.ドラッカー,Peter F. Drucker,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2000/07
- メディア: 単行本
プロとして、どういうことを考えると良いのか、ドラッカー氏が書かれています。
プロの基本を知りたい方は、合わせて読んでみると良いと思います。
こういう本が、プロの仕事なのでしょうね。
『好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則』楠木建
お悩み相談への答えをまとめたものです。
タイトルもですが、文章も少しくだけた感じになっています。
このあたりは、好き嫌いはあるかもしれませんが、書かれている内容は、まともだと思います。
仕事などの悩みがある方が読まれると、参考になると思います。
おすすめ度
★★★★☆
仕事などの悩み。その相談への解答が書かれています。
ビジネスパーソンが悩みそうなことをまとめられています。
ここから自分なりに考えてみると良いと思います。
おすすめしたい方
仕事の悩みなどを考えたい方。
ビジネスパーソン。
『好きなようにしてください―――たった一つの「仕事」の原則』楠木建
今日の「ビジネス書をチカラに!」
自分以外の誰かの役に立つのが、仕事
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