『戦略は実践に従う-日本企業のStrategy as Practice-』
大森信,竹村正明,今井希,滝本優枝,矢寺顕行,宇田理
戦略は実践に従う-日本企業のStrategy as Practice-
- 作者: 大森信,竹村正明,今井希,滝本優枝,矢寺顕行,宇田理
- 出版社/メーカー: 同文舘出版
- 発売日: 2015/10/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
本の目次
第1章
戦略は実践に従う
─ Strategy as Practiceへの招待─
第2章
SaPの枠組みを用いた企業成長の理解
─ 中小企業における戦略的資源の発見プロセス─
第3章
創発的戦略の再考
─ 本田技研工業のアメリカ市場進出の検討を通じて─
第4章
SaPとダイナミック・ケイパビリティの相克
─ 東急ストアの戦略策定プロセス─
第5章
プラクティス・ターンからの戦略転換についての理解
─ 旭酒造「獺祭」の開発事例を通じて─
第6章
戦略の多声性
─ 楽天市場の発展史を中心にして─
第7章
実践の習慣化と戦略化との関係性
─ トイレ掃除活動についてのアクションリサーチ─
戦略と実践
戦略、いまいちわかりにくいことかもしれません。
本書では、実践によって戦略が変わっていく、形成されていくということについて書かれています。
戦略と実践に興味がある方に参考なりますね。
ここに注目・言葉・名言
「SaPは、現実を反映した命題「戦略は組織に従う」の発展形や進化形であると先述した。「戦略は組織に従う(組織→戦略)」だけでなく、「戦略は実践に従う(実践→組織→戦略)」という側面にまで注目するアプローチがSaPなのである。」(p.8)
Strategy as Practice(SaP)。実践としての戦略
実践していく中で、戦略が見つかって、それらを取り入れていくことになっていく、という、ある意味、ボトムアップ的なアプローチがSaPということです。
従来の戦略論は、計画などトップダウン的なところが強かったですが、SaPでは、実践から戦略を見つけていくといったことも書かれています。
やってみてわかる。こういうこともありますよね。
そして、やってみてうまくいったことを、戦略として採用していく、といったことですね。
中小企業の成長の機会
「資源は何かを行うことで新たに見つかることが多いのだ、というものである。
これまでいくつかの事例を観察していて、むしろ企業は資源の存在に気づいて
いないことが成長の難しさの意味するところではないか、と推察するように
なった。」(p.37)
資源の存在に気がつくこと
需要がどこにあるか。もともとわかっているものもあるでしょうけれど、わかっていないことも多いでしょう。
本書の事例ではないですが、配車アプリのウーバーなどは、もともと需要としてあるだろうということはわかっている企業や個人はいたと思います。
それを、アプリ・サービスで実現した。だから成長する。
こういうものもあると思いますが、iPhone・スマホですら、その登場時には、スマホという「電話機」が売れるのか、疑問視する声もありました。
なかなか機会を見つけるということは簡単ではないですし、仮に「機会」があっても、しっかりと売り上げや成長につなげられるかは、簡単ではないでしょう。
取り入れたいと思ったこと
実践していることから、戦略を考えてみる。
こういうアプローチはありますよね。
わたしも、今行っていることから戦略に変えていけることがないか、考えてみようと思います。
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ナポレオンやカエサルなど、歴史における戦略といったことを学べます。
合わせて読んでみてください。
『戦略は実践に従う-日本企業のStrategy as Practice-』
大森信,竹村 正明,今井希,滝本 優枝,矢寺 顕行,宇田 理
実践と戦略。
この関係を考えると、どちらが先か後か、という話にもなってくるかもしれません。
いずれにしても、両方を考えることで、実践にも戦略にも好影響があるはずです。
実践と戦略について考えたい方は、読んでみてください。
おすすめ度
★★★★☆
戦略は実践に従うということで、実践側から戦略を考えてみるというアプローチの戦略論です。
戦略と実践について考えたい方が読まれると、参考になると思います。
おすすめしたい方
戦略は実践に従うということを考えたい方。
経営者。
『戦略は実践に従う-日本企業のStrategy as Practice-』
大森信,竹村 正明,今井希,滝本優枝,矢寺顕行,宇田理
戦略は実践に従う-日本企業のStrategy as Practice-
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実践としての戦略
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