『理系に学ぶ。』川村元気
本の目次
・養老孟司……世の中の常識を疑いながら、人間の身体本来の力を信じる解剖学者
・川上量生……ITビジネスとコンテンツ業界を牽引する「ニコニコ動画」生みの親
・佐藤雅彦……独自のルールとトーンで数々のCMを生みだし「作り方を作る」ことを教える
・宮本 茂……マリオ、ゼルダ。天才的発想力で世界を熱狂させてきたゲームプロデューサー
・真鍋大度……驚愕の「精度」と「表現」映像で世界を驚かすメディアアーティスト
・松尾 豊……ディープラーニングを駆使し農業や建設業での活用を目指す人工知能の先駆者
・出雲 充……世界初の大量培養に成功したミドリムシでバイオ燃料の可能性にかける
・天野 篤……成功率98%、年間400例の執刀をこなす心臓外科のゴッドハンド
・高橋智隆……スマホに代わる小型ヒト型ロボット時代の到来を思い描くクリエイター
・西内 啓……「不確実時代の最適選択のために統計学は最強の学問」と唱える統計家
・舛田 淳……世界で月間利用者2億人を誇るLINEでテクノロジーとアートを束ねる
・中村勇吾……“ずっと見ていられるものづくり"でメディア表現の可能性を切り開くインターフェースデザイナー
・若田光一……宇宙滞在期間347日。日本人初のISSコマンダーを務めた宇宙飛行士
・村山 斉……1兆年先の宇宙に思いを馳せつつ研究機構を率いる理論物理学者
・伊藤穰一……サイエンスのデザインを追求する日本人初のMITメディアラボ所長
理系の人に学ぶ
『世界から猫が消えたなら』『億男』の川村元気氏が、理系の人たち15人に学ぶための対話をしたものをまとめた一冊です。
理系、文系、あまり関係ないかなと思いますが、理系コンプレックスがある方には、おもしろく読むことができるかもしれません。
ここに注目・言葉・名言
「佐藤 感性とか信念みたいなことを軽々しく言いたくないですね。最後は感性で探り当てるしかないんですが、そういった言葉ですぐ片付けるのは、傲慢な気がします。」(p.62)
途中までは、方法論
東京藝術大学大学院、映像研究科教授の佐藤雅彦氏の言葉です。
CMプランナーとして、「ポリンキー」や「バザールでござーる」などを作られた人ですね。
方法論を見つけて、アプローチするということを言われていました。
最後は感性なのでしょうけれど、途中には、方法論がある。
そういうことですね。
文系と理系の信頼関係の作り方とは?
「川村 今の宮本さんの話は、僕がこの理系対談シリーズを始めるときにぼんやり思っていたことの答えを言ってもらった感じがします。技術の人たちは現実を見ていてどう実現させるかのスペシャリストなんだけど、その人たちを新しいゾーンに連れていくのはアートやストーリーの人たちなんじゃないかなと。
宮本 無理矢理な課題に付き合ってもらえる人がいることが大前提です。
例えばプログラマーはバグを出さないことに責任があるんですけど、彼らに「リスクはあるけど、面白いんならやっちゃいましょうか」と言わせるために、どう納得してもらえるかが大事かなと。」(p.82)
面白いと思うかどうか
ゲームのスーパーマリオブラザーズなどのプロデューサー、宮本茂氏の言葉です。
おもしろそうだからやってみよう。
そう思ってもらえるようなことを考えてやってみると、文系と理系の信頼関係ができるということです。
同じおもしろそうな目標を持つ。これは、理系も文系も関係ないでしょうね。
まあ、何がおもしろいと思うかどうかは、人によると思うので、ここが重要かと思いますが。
取り入れたいと思ったこと
「論理性だけでは絶対に行けないですよ。」とは、LINE取締役CSMOの舛田淳氏の言葉。
理系と言うと、論理的。そういう言い方をしたりしますね。
ただ、論理だけではなくて、飛躍するところも必要ということです。
理屈を超えるところも考えてみるというのはおもしろいですよね。
あわせて読みたい
『ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』
アレックス・ペントランド,矢野 和男
ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学
- 作者: アレックス・ペントランド,矢野和男,小林啓倫
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『ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』アレックス・ペントランド,矢野 和男 ソーシャル物理学。聞き慣れない言葉かもしれません。 良いアイデアなどがどうやって広まるのか。 こういったことを、人の行動から考えていくというものです。 ビックデータなどを駆使して、人々の行動を探っていく。 こういうものですね。
『ソーシャル物理学:「良いアイデアはいかに広がるか」の新しい科学』【書評】 - ビジネス書をビジネスのチカラに
良いアイデアの広がり方などについて書かれています。
アイデアの流れなどを、人の行動から見ていくというものです。社会物理学的な考え方を知りたい方は、こちらも合わせて読んでみると良いと思います。
『理系に学ぶ。』川村元気
理系に学ぶということで、理系の人15人に、川村元気氏が話を聞きに行って、対談をしている本です。
それぞれの人に理屈というか論理があって、おもしろいですね。
文系、理系に関係なく、どういう考え方などをしていくと良いかといったことに興味がある方が読まれると、おもしろく読むことができると思います。
おすすめ度
★★★★☆
川村元気氏と「理系」の人との対談です。
理系に学ぶ、どんな考え方をしているかを知りたい方が読まれると、参考になると思います。
おすすめしたい方
理系に学びたい方。
ビジネスパーソン。
『理系に学ぶ。』川村元気
今日の「ビジネス書をチカラに!」
途中までは、方法論。最後は、感性
方法論を持っていますか?