『パクリ経済――コピーはイノベーションを刺激する』カル・ラウスティアラ,クリストファー・スプリグマン
パクリ、コピー
コピー。真似る。そういうことが、イノベーションや経済を刺激することが
ある。
本書では、そのようなことがどのように起こるのかについて書かれています。
日本は、海外のものを上手に真似て、ときにはコピーして、発展してきました。
このため、本書で言われていることは、日本人にとっては、ある意味、そこまで新しいことはないかもしれません。
しかし、また、21世紀になって、著作権などの権利保護がないと、発展できないのではという話もあります。
このあたりに興味がある方にとっては、おもしろく読める一冊ですね。
ここに注目・言葉・名言
「私たちの主要メッセージは、楽観的なものだ。驚いたことに、創造性はしばしばコピーと共存できる。そして条件次第では、コピーが創造性の役に立つことさえあるのだ。」(p.14)
コピーと創造性
そのままコピーする。パクる。
そういうことが、創造性と共存できることもあるということです。
海賊版などは、そのようなことはないでしょうけれど、条件によっては、創造性やイノベーションを促すことになるということです。
これも、真似ることが学ぶこと、という考え方があるように、そこまで日本人は、真似ることについては厳しく考えていなかったりしますね。
改善には、真似ることが必要だというのは、多くの日本人が知っていることではないかと思います。
オープンソース
「さらにほかの創造産業では、イノベーションのコストを下げるオープンソース方式の持つ力を重視している――そしてそれによりイノベーションを増やしている。」(p.256)
コピーを促して、イノベーションを増やす
リナックスなどの、オープンソースのソフトウェアでは、コピーを促すことでコストを下げて、イノベーションを増やしているということです。
このような方法で、イノベーションを増やして、コストを下げることもできますね。
「無償であること」で広めやすくはなるでしょう。
あとは、どこで利益を得るかということになるわけですが。
取り入れたいと思ったこと
イミテーション。コピー。
こういったものとどう付き合うか。そういうことが書かれているので、興味深く読むことができます。
わたし個人は、まるまるそのままの「パクリ」は良いとは思っていません。
真似て、さらに改善する。そういうのはありますよね。そういう方向で、コピーというものには、付き合えると良いと思っています。
『パクリ経済――コピーはイノベーションを刺激する』
コピーやイミテーション。こういうものが、経済やイノベーション、創造性にどんな影響があるのか。
本書では、その分析とコピーとの付き合い方のヒントなどが書かれています。
「パクリ経済」。まるまるパクるのはどうかと思いますが、コピーなどとの
有益な付き合い方などを考えたい方が読まれると、参考になると思います。
▼ あわせて読みたい ▼
『コピーキャット: 模倣者こそがイノベーションを起こす』
オーデッド・シェンカー(著)
『パクリ経済――コピーはイノベーションを刺激する』カル・ラウスティアラ,クリストファー・スプリグマン
▼ おすすめ度 ▼
★★★★☆
パクリ経済ということで、コピーやイミテーションが産業やイノベーション
に与える影響などが書かれています。
イノベーションとコピーの関係などを考えたい方が読まれると良いでしょう。
▼ おすすめしたい方 ▼
コピーとイノベーションの関係に興味がある方。
経営者。
★今日の「ビジネス書をチカラに!」
創造性はしばしばコピーと共存できる
⇒ どのようにコピーと共存しますか?