「付加価値がないから売れない」
などと言ったりしますね。
では、どうしたら、付加価値をつけることができるのか?
本書では、付加価値の話が書かれています。
- 『このオムライスに、付加価値をつけてください』柿内尚文
- 『このオムライスに、付加価値をつけてください』のここに注目・言葉・名言
- 「ちょい付加価値」で満足度が大幅アップ
- 取り入れたいと思ったこと
- あわせて読みたい
- 『このオムライスに、付加価値をつけてください』
『このオムライスに、付加価値をつけてください』柿内尚文
『このオムライスに、付加価値をつけてください』のここに注目・言葉・名言
「これから本書で解説していく「付加価値」は、こう定義したいと思っています。
既存の価値と対比させて、付加価値とは何かを定義します。
既存価値 想定内の価値
付加価値 想定外の価値
既存価値というのは、すでに存在している価値です。
電車が時間通りに来る、お店でおもてなしを受ける。こうしたことは日本人にとってはフツーのことなので既存価値です。
でも、先ほども書いたように、外国人観光客にとっては付加価値になります。
この想定内か想定外かを決めるのは、「価値を受け取る側」です。
ビジネスであれば、お客さんが決めるということです。
「価値を提供する側」は受け手のことを考えて、既存価値や付加価値を提供していきます。
ただ、提供側が付加価値だと思って提供しても、受け手側が付加価値だと思わない「いらない価値」であることもあります。
これを僕は「不要価値」と呼んでいます。」(p.54-55)
付加価値とは?
既存価値 想定内の価値
付加価値 想定外の価値
不要価値 付加価値になっていないこと
ということで、付加価値とは想定外の価値ということです。
なので、これは人によって異なるということになります。
人によって価値観が異なるわけで、想定しているかどうかは人によります。
マニアにとっては価値があるものも、普通の人にとっては不要価値かもしれません。
そして、想定外を作れば、価値になるということでもありますね。
「ちょい付加価値」で満足度が大幅アップ
「ちょい付加価値」を感じさせてくれる餃子チェーンがあります。
「きようぎの満州」、埼玉県生まれのチェーンで、キャッチコピーは「3割うまい」。
「おいしさ200%」とか「感動のうまさ」ではなく、「3割うまい」に「ちょい付加価値」を感じます。
この3割うまいには、原材料費や人件費、経費を3割ずつにしたバランスのいい経営をしているという意味もあるそうですが、このコピーから伝わるのは「ちょい付加価値」です。
「感動のうまさ」と言ってしまうと期待感を上げすぎてしまい、実物がたとえおいしかったとしても、「感動までではないな」とマイナス付加価値になっしまうリスクもあります。
テレビのバラエティ番組を制作する人がこんなことを言っていました。
「おもしろすぎるとか、最高に笑えるみたいな表現を番組内で使ってしまうと、視聴者のハードルが上がってしまい、「おもしろかったけど、最高に笑えるほどじゃなかった」みたいなイメージになってしまうので、過剰な表現で視聴者のハードルを上げすぎないように気をつけています」
付加価値は売りになるので強く言いたい。でも、言いすぎるとハードルが上がってマイナス効果になりかねない。
「ちょい付加価値」は、塩梅のよい付加価値になります。
(p.132-133)
少しの付加価値
大袈裟な表現だと、逆にがっかりすることもあるかもしれません。
想定外は人によるので、そういうことはありますよね。
なので、そこまで大きな付加価値ではないけれど、他よりは付加価値になっている。
そういうところを目指してみると、満足度がアップして、評価も高まるかもしれませんね。
取り入れたいと思ったこと
「付加価値づくりの心の師匠と勝手に呼んでいる人がいます。
それは、みうらじゅんさんです。
ゆるキャラブームを生み出したことは有名ですが、独特の視点で、これまでスポットが当たってこなかった、低付加価値&不要価値なものに注目し、新しい付加価値をたくさんつくっています。
みうらさんがつくった付加価値は、「ゆるキャラ」「いやげ物」「マイブーム」「見仏記」「カニパン」「とんまつり」などなど。
そのネーミングセンスも抜群です。
ここではその内容を詳しくは紹介しませんが、そこに目をつけるか!というところに焦点を当て、ネーミングセンスで人の心をとらえていく。付加価値職人と呼びたくなる実績です。
みうらじゅんさんの思考のプロセスに付加価値づくりのヒントが隠されていると僕は思っています(僕もかなり参考にさせてもらっています)。
そのひとつが「ポジティブ価値化」です(ポジティブ価値化は、僕が呼んでいる名称なので、みうらさんがそう言っているわけではないのですが)。
「ポジティブ価値化」とは、一見ネガティブに思えることに対して、視点を変えてポジティブ化していく方法です。」(p.174-175)
ネガティブに見えることを、ポジティブに変えてみるということです。
狭いお店なら、たくさん品数を置けないので、セレクト、厳選とするなどです。
最近だと、お米や食料品の値段が上がっているので、ダイエットプレートなどとして販売するのもありかもしれません。
いずれにしても、ネガティブをポジティブに変換するというのは、
取り入れたいですね。
あわせて読みたい
こちらは、キーエンス出身の田尻望氏が、付加価値のつくりかたについて書かれています。
付加価値を考えたい方が読まれると、基本的なところが整理されて、わかりやすいと思います。
『このオムライスに、付加価値をつけてください』
おすすめ度
★★★★☆
付加価値を考える。
いろいろな種類の付加価値について、事例とともに紹介もされています。
付加価値をつけたい方が読まれると、参考になることが見つかると思います。
おすすめしたい方
ビジネスパーソン。
経営者。
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
付加価値とは?
既存価値 想定内の価値
付加価値 想定外の価値
不要価値 付加価値になっていないこと
付加価値があるかを考えてみる