デザイン思考について説明されています。
マインドセットということで思考の方法、そして、スキルセットということで、デザイン思考を助ける情報のまとめ方などについて書かれています。
『デザイン思考 マインドセット+スキルセット』廣田章光
目次
第1章 社会とデザイン
第2章 デザイン行動と試行錯誤
第3章 デザイン思考とデザイン行動
第4章 観察によって人間を理解する
第5章 観察のスキルセット
第6章 問題を発見する
第7章 問題を解決する
第8章 体験のプロトタイプをつくる
第9章 デザイン思考ワークショップ
第10章 デザイン思考の組織導入
第11章 スタンフォード大学のデザイン教育プログラム
第12章 デザイン思考の実践
『デザイン思考 マインドセット+スキルセット』のここに注目・言葉・名言
「優れたデザイナーのマインドセット
(1)5つのマインドセット
優れたデザイナーの思考には、5つの特徴がある。
第1に、人間を中心に思考する。
第2に、言葉や数値だけでなく積極的にビジュアル(スケッチ、試作品)による表現方法を使用する(諏訪2018)。
第3に、ビジュアルや言語、数値の情報を通じて、対象となる人や協働者との対話と修正を何度も繰り返す。
第4に、ものの見方、考え方の枠組み(フレーム)を変化(リフレーム)させて、他の人や 従来の枠組みでは捉えられない問題に気づく、あるいは異なるアプローチによって問題を解決する。
第5に、人々が活動する現場における人間の観察から始めて、検証に至る5つのステップを繰り返す。
このような特徴的な思考を通じて、優れたデザイナーは与えられたテーマに対して社会の中から手がかりを見出す。そしてその手がかりをもとに、社会の人々が気づかない問題の発見と、その問題を解決する体験を創造する。そして、その体験を実現する従来とは異なる価値を持つ製品、サービスを生み出すのである。」(p.63-64)
優れたデザイナーのマインドセット
優れたデザイナーのマインドセットには、こういった5つのマインドセットがあるということです。
人々が活動する現場における人間の観察から始めて、検証に至る5つのステップを繰り返すということで、これらの5つのステップについても説明されています。
リフレームさせるというのはありますよね。
既存の枠組みとは別の枠組みで見てみる、考えてみると、違ったことが見えてきます。
デザイン思考では、こういったことを行えると良いということでしょう。
そして、優れたデザイナーは、こういったマインド、思考の特性を持っているということです。
デザイン思考のスキルセット
「(5)デザイン思考のスキルセット
思考ツールをどのような場面で使用する、あるいはどのような思考ツールと組み合わせて使用するかの知識を、ここでは「スキルセット」と呼ぶ。
デザイン思考では、5つの各ステップの実践を容易にするため、多様なツールが開発されており、このツールをスキルセットによって活用する。」(p.74)
デザイン思考のスキルセット
ということで、5つのステップでの実践を容易にするためのスキルセットが紹介されています。
KJ法やJOB理論などですね。
詳しく知りたい方は、本書を読んでみてください。
取り入れたいと思ったこと
アイデアを生み出すルーティンを業務とするという話が紹介されていました。(p.316)
ペイン・ゲインを持ち寄って、アイデアに変えて、プレゼンをして、良かったアイデアを商品化するという、一連の流れを、毎月のルーチン業務として組み込んでしまうということです。
こうすることで、新しい商品やサービスを作りやすくなりますね。
取り入れたいと思いました。
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『戦略の創造学: ドラッカーで気づき、デザイン思考で創造し、ポーターで戦略を実行する』山脇 秀樹
『戦略の創造学: ドラッカーで気づき、デザイン思考で創造し、ポーターで戦略を実行する』山脇 秀樹 - ビジネス書をビジネスのチカラに。書評ブログ
こちらは、戦略を、ドラッカーやデザイン思考、ポーターで考える。
その全体像などがわかります。
経理戦略の立て方などを知りたい方が読まれると、参考になるはずです。
『デザイン思考 マインドセット+スキルセット』廣田章光
おすすめ度
★★★★☆
デザイン思考のマインドセットとスキルセットがまとめられています。
どういったところを押さえると、デザイン思考をできるようになるかわかりやすいです。
また、思考のためのツールなどもまとめられているので、これらを使っていきたいですね。
おすすめしたい方
デザイン思考を実践したい方。
ビジネスパーソン。
今日の読書「ビジネス書をチカラに!」
人々が活動する現場における人間の観察から始めて、検証に至る5つのステップを繰り返す
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