『大脱出――健康、お金、格差の起原』アンガス・ディートン
格差の起原
格差は、どのように起こるのか?
そして、どうすると無くせるのか?
本書のテーマです。
格差に興味がある方が読まれると、興味深く読むことができる本だと思います。
▼ ここに注目 ▼
「平均余命と所得が正比例しているという事実は、世界における幸福について考えるうえで重要な要素だと言える。健康と富は、幸福のもっとも重要な要素の二つであり、このグラフが示すのは、その二つが必ずではないにしても一般的には対になっているということだ。」(p.46)
平均余命と所得が正比例する
所得が高いと、平均余命も長くなる。
こういう関係があります。
本書では、お金と健康の格差について取り上げています。
このような関係が成り立つのは、やはりと言えばやはりですが、お金があるということが、医療を受けられるなどとつながっていたりするからでしょう。
格差がすべての人間社会に共通する特徴ではなかった
「この遠い昔の時代からは、ほかにも学べることがある。格差がすべての人間社会に共通する特徴ではなかったということだ。長い歴史の大半、格差は存在しなかった。少なくとも、一緒に生活してお互いのことをよく知っていたグループに格差はなかった。」(p.91)
狩猟採集時代には「格差」はなかった
狩猟採集時代には、今のような格差はなかった、ということです。
農業や文明ができてからということになるのでしょう。
そして、産業革命以降なども変わっていきます。
とは言え、世界的に見ると、一部をのぞいて、現代は、少しずつ経済格差が縮まっている、という傾向があります。
▼思ったこと
格差が広まっているのか、縮まっているのか。
統計などによって変わってくる部分があります。
一方で、統計によっても変わらずに、格差が広がっている地域もあります。
その地域に対して、何をすると良いのか。
本書では、そんなことを考えることができました。
大脱出――健康、お金、格差の起原
お金、健康の格差の起源。
それが、どういうところにあるのか、どうしたら格差はなくなるのか。
といったことについて書かれています。
格差に興味がある方が読まれると、参考になると思います。
▼ あわせて読みたい ▼
『大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』タイラー・コーエン
▼ おすすめ度 ▼
★★★★☆
▼ おすすめしたい方 ▼
経済、健康格差について考えたい方。
★『大脱出――健康、お金、格差の起原』アンガス・ディートン
★【今日の「本をチカラに!」
平均余命と所得が正比例する
⇒ お金と健康の格差について、どう思いますか?