『仕掛学』松村真宏
本の目次
序章 「ついしたくなる」には仕掛けがある(天王寺動物園の筒
行動で問題を解決する ほか)
1章 仕掛けの基本(行動の選択肢を増やす
行動を上手に誘導する ほか)
2章 仕掛けの仕組み(仕掛けの原理
仕掛けの構成要素 ほか)
3章 仕掛けの発想法(仕掛けを見つける方法
要素の列挙と組み合わせ ほか)
仕掛け
仕掛けで、結果を変える。
仕掛けによって、行動を変えて、結果を変える。そういうことができるというのが、仕掛けにはありますね。
本書では、そんな「仕掛け」について、その共通点などが考察されています。
ついしたくなるように
「これらの話には人の行動を変える奥義が記されている。無理やり行動を変えさせようとするのではなく、つい行動を変えたくなるように仕向けるのである。
このように「ついしたくなる」ように仕向けることは不確実性を含むので遠回りに見えるかもしれないが、正攻法が効かない場合には有望なアプローチになる。」(p.27)
行動したくなるように仕向ける
仕掛けとは、したくなるように仕向けるものでしょう。
それは、「北風と太陽」の寓話で言えば、太陽のようなものでしょう。
思わずしたくなるようなもの。そういうものを作ると、思わず動いてしまうので結果として、行動が変わるということですね。
こういうところが、仕掛けの考え方ですね。
仕掛けの定義の3つの条件
「本書では、問題解決につながる行動を誘うきっかけとなるもののうち、以下の3つの要件からなる「FAD要件」(それぞれの要件の英語の頭文字をつなげたもの)を全て満たすものを「仕掛け」と定義する。
・公平性(Fairness):誰も不利益を被らない。
・誘引性(Atractiveness):行動が誘われる。
・目的の二重性(Duality of purpose):仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる。」(p.36)
目的の二重性
目的の二重性は、少しわかりにくいかもしれません。
「北風と太陽」の話で言えば、仕掛ける側の太陽がコートを脱がせるためという目的と、仕掛けられる側は、暑いから脱ぐというのは、目的が違っていますよね。
こういうのが、仕掛けの定義としては考えられるということです。
仕掛ける側と仕掛けられる側では、行動の目的が違っているということですね。
まあ、同じでも良いのかもしれませんが。
スマホのアプリなどは、利用者と製作者の意図が同じでも、良いですよね。
ただ、それは、「仕掛け」というよりも、「機能」ということになってしまうのかもしれませんね。
取り入れたいと思ったこと
仕掛けは、行動中心のアプローチであり、行動を変えることで、問題解決をはかるということです。
ツールを使って、自動化するといったのは、ここで言う「仕掛け」ではないのかもしれません。
まあ、それも、一つの仕掛けだと、わたしは思うのですが、このあたりは、本書を読んで、考えてみると良いと思います。
あわせて読みたい
『問題解決に効く「行為のデザイン」思考法』村田智明
問題解決のために行為をデザインする。
デザインも、仕掛け的なところがありますよね。デザインによって、行動を促すというところがあるでしょう。
そんな行為のデザインについて考えたい方は、こちらも合わせて読んでみてください。
『仕掛学』松村 真宏
仕掛け。
人を無理せずに動かせるようなものができたら、自然と動いてくれて、良さそうですよね。
本書では、そんな仕掛けについて考察されています。
仕掛けについて考えたい方は、読んでみてください。
おすすめ度
★★★★☆
仕掛学ということで、仕掛けについて書かれています。
仕掛けとはどういうことか、どんな仕掛けがあるか、仕掛けをどうやって考えるか。
こんなことを知りたい方が読まれると参考になると思います。
おすすめしたい方
仕掛けについて考えたい方。
ビジネスパーソン。
『仕掛学』松村 真宏
今日の「ビジネス書をチカラに!」
したくなるように仕向ける
したくなるように仕向けていますか?
読者登録などはこちら