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労働と賃金『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』玄田有史


『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』玄田有史 

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

  • 作者: 玄田有史
  • 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
  • 発売日: 2017/04/14
  • メディア: 単行本

『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』の目次

基本データ 人手不足と賃金停滞(玄田有史・深井太洋)

序 問いの背景(玄田有史)
第1章 人手不足なのに賃金が上がらない三つの理由(近藤絢子)
第2章 賃上げについての経営側の考えとその背景(小倉一哉)
第3章 規制を緩和しても賃金は上がらない
――バス運転手の事例から(阿部正浩)
第4章 今も続いている就職氷河期の影響(黒田啓太)
第5章 給与の下方硬直性がもたらす上方硬直性(山本 勲・黒田祥子)
第6章 人材育成力の低下による「分厚い中間層」の崩壊(梅崎 修)
第7章 人手不足と賃金停滞の並存は経済理論で説明できる(川口大司・原ひろみ)
第8章 サーチ=マッチング・モデルと行動経済学から考える賃金停滞(佐々木勝)
第9章 家計調査等から探る賃金低迷の理由――企業負担の増大(大島敬士・佐藤朋彦)
第10章 国際競争がサービス業の賃金を抑えたのか(塩路悦朗)
第11章 賃金が上がらないのは複合的な要因による(太田聰一)
第12章 マクロ経済からみる労働需給と賃金の関係(中井雅之)
第13章 賃金表の変化から考える賃金が上がりにくい理由(西村 純)
第14章 非正規増加と賃金下方硬直の影響についての理論的考察(加藤 涼)
第15章 社会学から考える非正規雇用の低賃金とその変容(有田 伸)
第16章 賃金は本当に上がっていないのか――疑似パネルによる検証(上野有子・神林龍)
結び 総括――人手不足期に賃金が上がらなかった理由(玄田有史)

あとがき 

 

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか。賃金が上がらない

なぜ、賃金が上がらないのか。

人手不足であれば、需要と供給で、賃金が上がりそうなものですが、そこまで上がっていません。

本書では、この点について、様々な視点からアプローチしています。

ここに注目・言葉・名言 

「賃金が上がらないのは複合的な要因による」(p.165)

「筆者は、こうした事態が生じた理由は必ずしも単純なものではなく、いくつか
の要因が複合的に作用していると考えている。」

賃金が上がらないのは複合的な要因による

本書、『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』では、様々な著者が、それぞれの章で、賃金が上がらない理由を考察しています。

共通しているのは、要因は一つではないということです。

ということで、単純ではないということがわかります。

賃金は上がらないのか?

「非正社員を一定数確保するには、企業には現在以上の賃金の引き上げが求められます。相対的に割安となった正社員の求人も増えるため、やがてその影響は正社員の賃金上昇へと波及していくことも予想されます。」
(p.302)

賃金が上がるかどうか?

これから賃金が上がるのかどうか。

上がるという人もいれば、むずかしいという人もいました。

これからさらに人手不足になって、賃金が上がるという考えもあるようです。

どうなるのか。

要因が複雑に絡んでいるので、予想はむずかしいですね。

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのかで、思ったこと

会社1社だけで考えたら、利益が増えたら給料も増やすということを、経営者と従業員が共有して、営業努力をしていく。

こういうことでしか上がらないのではないでしょうか。

業界全体が伸びている企業なら、また別でしょうけれど、そうでない限り、給料が上がるのは、利益が増えない限り、むずかしいですよね。

利益を増やすのは簡単ではないでしょうけれど、利益が増えないのに、給料は増えないと思います。

これを、会社のメンバーで共有して、実行できるかどうか。

1社の話で考えたら、こういうことですよね。

あわせて読みたい:『最後の資本主義』

『最後の資本主義』ロバート・B. ライシュ

最後の資本主義

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  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
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  • メディア: 単行本
 

『最後の資本主義』ロバート・B. ライシュ。資本主義を救えるか? - ビジネス書をビジネスのチカラに

 

これからの資本主義がどうなるのか。

経済格差が広がって、資本主義に反対する人が増えると、システムは脅威にさらされるでしょう。

格差を緩やかにすれば、反対する人は減って、システムが維持されるだろうというのはあるでしょう。

これからの資本主義がどうなるか、どうすると良いのか、そんなことを考えたい方は読んでみてください。

『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』玄田有史

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

日本は人手不足なのに、なぜ賃金が上がらないのか。

その要因などを多角的に考察されています。

複合的な要因なのでしょう。

だから、対策も簡単ではない。

そして、これからどうなるのかの予想もよくわからない。

本書を読むと、まだまだよくわからない状況なのか、今後賃金が上がる可能性がありそうといった感じでした。

労働や賃金に興味がある方は読んでみてください。

おすすめ度

  ★★★★☆

 『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』では、賃金が上がらない。なぜなのか?
 このあたりについて書かれています。この点に、興味がある方が読まれると、どういう状況なのかわかる本です。
 賃金と労働について興味がある方が読まれると、良いですね。

おすすめしたい方

人事担当者。
経営者。

『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』玄田有史

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

  • 作者: 玄田有史
  • 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
  • 発売日: 2017/04/14
  • メディア: 単行本

今日の読書「ビジネス書をチカラに!」

賃金が上がらないのは複合的な要因による

賃金を上げるためにどうしますか?